フランスのスマートデバイスメーカーであるWithingsは4月16日、秋葉原の3331 ARTS CHIYODAにて「日本ローンチイベント」を開催。Withingsブランドで手がけるスマートデバイスを日本で展開することを発表した。

WithingsはCedric Hutchings(セドリック・ハッチングス)氏とEric Carreel(エリック・カレル)氏が2008年に設立したメーカーだ。健康でありたいと願うすべての人々を応援・サポートする製品やサービスの提供を目的に、さまざまなデバイスを発売している。いち早くデジタルヘルスケア市場で存在感を示し、「CESイノベーションアワード」を5年連続で受賞した経歴も持つ。

発表会に登壇したAPAC地域セールスマネージャーであるアントワン・ロビヤール氏(右)と、ブランドマーケティングマネージャーであるルシー・ブロト氏(左)

発表会には、WithingsのAPAC地域セールスマネージャーであるAntoine Robiliard(アントワン・ロビヤール)氏が登壇。「近い将来、すべて人たちがスマートデバイスを利用して自分自身の健康を常に管理することになるだろう。我々はそれを『コネクテッドデバイス革命』と呼んでおり、Withings社のエコシステムが革命の第一線になると信じている」と語った。

Withingsの製品はすべて、スマートフォン用アプリ「Health Mate」と連携できる。各デバイスがモニタリングした全データをこのアプリで見ることができると、Antoine氏はそのメリットを解説した。

ヘルスケアに主眼を置くスマートウオッチ

Withingsの日本上陸で最も注目したいのが、ヘルスケアウオッチだ。今話題のスマートウオッチよりもヘルスケアに重点が置かれている。

「Withings Activite(ウィジングズ・アクティビテ)」は、米ラスベガスで開催された「2015 International CES」で注目を集めていたアクティビティトラッカー機能付きの腕時計型デバイス。時計の本場、スイスで製造されているのが特徴で、アナログ時計のデザインを採用しながらも、各種センサーを内蔵しており、歩数・走行距離・水泳距離・睡眠をトラッキングできる。ダイヤルはスイス製で、風防にはサファイアガラスを採用。この小さなケースの中に、各種センサーと一体化した「コネクテッド・ムーブメント」を収納している。

腕時計型デバイスはもう一つある。それが「Withings Activite Pop(ウィジングズ・アクティビテ・ポップ)」だ。歩数などのトラッキング機能はそのままに、よりポップなデザインを採用。こちらはスイス製ではないが、低価格で購入できるという。日本国内での発売日と価格はともに未定だが、北米市場では149ドルで発売されており、「Withings Activite」と比べてより手軽に購入できるのが魅力だ。

「Withings Activite」はAndroid、iOSに対応。文字盤はブラックとホワイトを用意。推定市場価格は税込61,000円前後だ

「Withings Activite Pop」の発売日、価格などは未定。ホワイト、ブルー、ブラックの3色展開

そのほかにもオモシロイ新製品が登場した。まずは手首に装着する「Withings Pulse O2(ウィジングズ・パルス・オーツー)」だ。活動データや睡眠時の身体情報をトラッキングできるウェアラブルデバイスで、各種センサーを内蔵する。心拍計を搭載し、ディスプレイには過去10日分のデータを表示可能だ。リストバンドとしてだけでなく、クリップで衣服などに取り付けるといった使い方もできる。

「Withings Pulse O2(ウィジングズ・パルス・オーツー)」はブルーとブラックを用意。推定市場価格は税込13,800円

ヘルスケアウオッチ以外にもオモシロ製品が

室内を撮影できるスマートHDカメラ「Withings Home(ウィジングズ・ホーム)」も4月に発売される。135°の画角を持つカメラを採用し、モーションセンサーと音声センサーも内蔵。室内の異変を感知すると、ユーザーのスマートフォンに通知を送る機能も持つ。

Withings Homeは環境センサーも搭載し、室内の空気の汚れ具合などをモニタリングしてグラフ化することも可能だ。セキュリティ対策だけでなく、録画したデータを時系列で再生することもでき、子どもたちの様子を後から見返したり、不在時にペットがどのように過ごしているかをチェックできたり、ユーザー次第で使い方が広がる。最大30日分の記録を再生できるクラウドビデオ・レコーディングプラン(有償)も用意する。

「Withings Home」はiOSデバイスのみ対応。推定市場価格は税込27,300円前後だ

個人的に興味深かったのが睡眠情報を詳しくトラッキングするデバイス「Withings Aura(ウィジングズ・オーラ)」だ。誘眠効果のあるライトを点灯して音楽を再生するユニット部と、ベッドのシーツ下にセットする専用マットの2つで構成。眠っている時の動きや姿勢など細かく管理することができるのだ。もちろん、睡眠時の呼吸や心拍数なども常時計測し、睡眠パターンを記録。計測データをもとに、より質の高い眠りを目指せる。

「Withings Aura」。上質な眠りを得るために各種データを取得するという。発売日と価格は未定

発売済みのWi-Fi対応の体重計「Withings Smart Body Analyzer」も展示されていた。体重やBMI値、体脂肪率などを計測できるほか、体重計なのに心拍数や室内のニ酸化酸素濃度などを計測する機能も持つ。最大8人のデータを保存できる。

「Withings Smart Body Analyzer」はWi-Fi接続に対応する体重計。推定市場価格は税込20,800円前後

これまで北米とヨーロッパを中心に展開してきたWithings。2014年の売り上げは、90%を北米とヨーロッパが占めているという。そこで2015年はアジア市場での販売強化を掲げ、第一弾として日本市場への本格参入を決めたという。Withings製品は、国内代理店のソフトバンクコマース&サービスが取り扱う。大手量販店やオンラインショップにおいて販売していく。