日本ヒューレット・パッカード 代表取締役 社長執行役員 吉田仁志氏

コンピュータや周辺機器、システムの開発や販売を行う日本HP。吉田氏は2015年1月5日に代表取締役 社長執行役員に就任した直後であり、さらに同社は11月をもって2社に分社することも発表されている。節目の年に入社した社員に送られた言葉は次のとおりだ。

日本ヒューレット・パッカード 代表取締役 社長執行役員 吉田仁志氏

「皆さんはHPにとって最も歴史的な年に入社しました。HPは今年の11月からHewlett-Packard Enterprise(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)とHP Inc.(エイチピー・インク)という二つの会社に分社します。私たちはこれを『第2の創業』と捉えています」

「両社は同じDNAを持つ最良のパートナーとして、HP Wayという誇るべき企業文化を継承し、イノベーションを起こし続けていきます。HPは1939年にガレージから誕生しましたが、分社というのは1台の車が入るガレージが、2台の車が入るガレージになることです。新入社員の皆さんを含めた全社員が創業メンバーとなり、新しい会社を創っていくことになります。是非、このHPが新たな歴史を刻む年に、創業メンバーの一員として若い力を発揮して欲しいと期待しています」(吉田氏)

旭化成 代表取締役社長 兼 社長執行役員浅野敏雄氏

化学、繊維から住宅、エレクトロニクス、医薬品まで幅広く扱う旭化成。今年は大卒・高専卒併せて333名の新入社員を迎えた。

旭化成 代表取締役社長 浅野敏雄氏(同社HPより)

「私もちょうど40年前に旭化成発祥の地、ここ宮崎県延岡市で新入社員研修を受けましたことを昨日のことのように思い出します。昨年私は、延岡市の上流にある当社が約90年前に造った水力発電所を訪問しました。大正時代の自動車もなくトンネルも手掘りするしかないような時代から運用を開始し、今でも保守・管理する人たちの不断の努力のおかげで休むことなく稼働している姿を見て、まさに旭化成魂の原点を見た思いがしました」

「今日、新しく旭化成の一員となった皆さんに1つだけお願いをしておきます。これからの人生、仕事に対して具体的な『志』を持っていただきたい。私の『志』は『退職までに3つの製品を世の中に出す』というものでした。皆さんの「志」を達成するためには、誰に対しても誠実であり、果敢に挑戦し、結束して新たに価値を創造するという旭化成のグループバリュー『誠実』『挑戦』『創造』の実践が必要です。是非とも『志』の実現を目指し、皆さんの人生を実りある豊かなものにしてください」(浅野氏)

まとめ

5社の入社訓示、いかがだっただろうか。「新入社員向けメッセージ」とはいえ、代表自身の経験を元にしたエピソードや教訓が盛りだくさんで、先輩社員でも勉強になることだろう。5社以外にも訓示をWeb上で公開している企業があるので、他社のメッセージも読みたいという人は、探してみるのもおすすめだ。