ASUSは5日(北米時間)、CES 2015の開幕を翌日に控えた米国ラスベガス市内でプレスカンファレンスを開催し、Androidスマートフォン「ZenFone」の新モデル2機種「ZenFone 2」と「ZenFone Zoom」、2-in-1型Windows PCの新シリーズ「Transformer Book Chi」を発表した。同社のJonney Shih会長が製品を説明した。

世界初とか、世界○○と前置きする発表が多く、今年も非常に元気なASUS。Jonney Shih会長のおなじみの"どやぁ!"なキメ顔も、機能/性能を公開した瞬間、価格発表のその時などなど、何度も見ることができた

2-in-1の新シリーズはWindowsタブレット最薄のCore M搭載機も

「Transformer Book Chi」は同社の2-in-1モバイル「Transformer」の新シリーズ(ちなみに"Chi"は"ち"と発音していた)。高い性能のまま、薄く美しい本体デザインを目指したといい、ディスプレイサイズとプロセッサが異なる3モデル、「Transformer Book T300 Chi」と「Transformer Book T100 Chi」、「Transformer Book T90 Chi」をラインナップする。

着脱式の2-in-1で、IDCの昨年Q1~Q3累計が世界一だったこともアピール

3モデルの「Transformer Book Chi」を発表。T300はCore M機で、残りはAtom

今回、MacBook Airとの比較がかなり多かった。まず、薄さでChiが勝る

視野角でもChi

画素密度でもChi

NTSCでもChi……など、画質も特徴としている

めずらしくフルサイズキーボードもアピール。作業の生産性の良し悪しにも気を使い始めたということだろう

ゲストで、Intelのクライアントコンピューティンググループの担当上級副社長、Kirk Skaugen氏も登壇した。開発段階からコラボーレーションして製品をつくり上げていくというASUSとの関係の強さを話していた

最上位のT300 Chiは、12.5型のWQHD(2,560×1,440)液晶を備え、プロセッサはIntel Core Mを搭載。キーボード搭載時でアップルのMacBook Airより薄い16.5mm、タブレット単体では7.6mmで、Shih会長は世界で最も薄いWindowsタブレットだと紹介した。このモデルのみ、液晶解像度にフルHD(1,920×1,080)のバリエーションも用意する。

主なスペックをまとめると、OSがWindows 8.1 32bit、ディスプレイが12.5型WQHDまたはフルHDのIPS液晶、プロセッサはIntel Core M-5Y71、メモリ8GB、ストレージが128 SSD、本体サイズ/重量はキーボード装着時で横幅317.8×奥行191.6×厚さ16.5mm/1.42kgで、タブレット単体では厚さ7.6mm/重量0.72kg。価格はWQHDモデルで799ドル、フルHDモデルだと100ドル程度安くなる。

Transformer Book T300 Chi

Chiシリーズ共通で、エッジ部分にダイヤモンドカットを施し高級感を持たせている

着脱の接合部は、電気的な端子などがあるわけではなく、溝とマグネットだけのシンプルなもの。キーボードはBluethoothで接続

T100 ChiはAtomベースのモデルで、主なスペックをまとめると、OSがWindows 8.1 32bit、ディスプレイが10.1型WUXGA(1,920×1,200)のIPS液晶、プロセッサはIntel Atom Z3775、メモリ2GB、ストレージが64GB eMMC、本体サイズ/重量はキーボード装着時で横幅265×奥行174.5×厚さ13.2mm/1.06kgで、タブレット単体では厚さ7.2mm/重量0.57kg。価格は399ドル。

Transformer Book T100 Chi

左からT90 Chi、T300 Chi、T100 Chi

T90 ChiもAtomベースのモデルで、主なスペックをまとめると、OSがWindows 8.1 32bit、ディスプレイが8.9型WXGA(1,280×800)のIPS液晶、プロセッサはIntel Atom Z3775、メモリ2GB、ストレージが64GB eMMC、本体サイズ/重量はキーボード装着時で横幅241×奥行137.5×厚さ16.5mm/750gで、タブレット単体では厚さ7.5mm/重量400g。価格は299ドル。

Transformer Book T90 Chi

T90 Chiの着脱部はほかの2機種よりさらにシンプル。溝ではなく滑り止めだけ

T90 Chiのタブレット部とキーボード部

格安かつ高い質感/性能そのままに、進化したZenFone

ZenFoneは2機種、昨年のCESでデビューしたZenFoneを第2世代の「ZenFone 2」へと刷新した。"禅"(Zen)をコンセプトにデザインしたボディを引き継ぎ、ZenFone 2の主な特徴として、クアッドコアの最新Atom、世界初という4GB RAMの内蔵、カメラの高性能化、3,000mAhのバッテリに39分で60%充電するという高速充電、デュアルSIM(LTE対応)、Zen UIのランチャカスタマイズの拡充などのアップデートなどがあげられる。

ZenFoneの後継機、「ZenFone 2」を発表

大画面だが額縁が狭くなったため、本体は持ちやすいサイズにおさまっている

カメラ機能の強化の紹介にも多くの時間がさかれた

格安でも性能は抜群と、競合との性能比較。3DMarkのIceStorm Ultimateスコアが2万超え

世界初の4GB RAMを搭載。デュアルチャンネルで帯域もひろい

3,000mAhが39分で60%というバッテリ急速充電も目玉のひとつだ

プロセッサ Intel Atom Z3560/Z3580 (クアッドコア、64bit)
OS Android 5.0 Lollipop
ディスプレイ 5.5型IPS フルHD(1,920×1,080ドット) Corningゴリラガラス3
カメラ リアカメラ1,300万画素(f/2.0)、インカメラ500万画素(f/2.0)
メモリ LPDDR3 2GB/4GB
ストレージ 16GB/32GB/64GB ほかMicroSDスロット(最大64GBサポート)
バッテリ 3,000mAhリチウムポリマ
サイズ/重量 H152.5×W77.2×D3.9~10.9mm/170g
その他 デュアルSIM同時利用が可能(4G/LTE Intel LTE-Advancedモデム)

ZenFone 2の詳細なスペックは上の表のとおり。今回も価格はかなり攻めていて、199ドルから。発売は3月。初代のZenFoneでは、ディスプレイのインチサイズをつけて5インチの「ZenFone 5」とか、6インチの「ZenFone 6」などと命名していたのでややこしいが、そのZenFone 5は昨年、日本でもSIMフリースマホとして上陸しかなりの人気を集めた。ZenFone 2も期待して待ちたいところだ。

ZenFone 2の外観。背面のカメラレンズ下にあるのはタッチ操作のボリュームコントロール

デュアルSIMのセッティング画面

左はZenFone 2、右はZenFone従来機の5インチ。ラウンドシェイプ・ヘアラインのアルミパーツなど同様で、デザインのイメージは変わらない

もうひとつのZenFoneはリアカメラに"光学"の内蔵3倍ズームを備えた「ZenFone Zoom」。同カメラには光学式手ブレ補正や、レーザーAFも備える。レンズは10枚構成、画素数は1,300万画素で、デジタルズームで12倍までいける。マニュアル撮影モードもあり。インカメラは500万画素。

「ZenFone Zoom」を発表

10枚構成のレンズ

光学式手ブレ補正

マクロ撮影も得意

マニュアル撮影も充実

プロセッサが未発表など詳細スペックは未公開だが、OSはAndroid 5.0 Lollipopで、ディスプレイはフルHD(1,920×1,080ドット)の5.5型IPS液晶。ストレージは最大128GB。4G/LTEをサポート。サイズ/重量はH158.9×W78.84×D11.95mm/185g。バッテリ容量は3,000mAh。発売は今年の第2四半期を予定し、価格は399ドルから。

ZenFone Zoomの外観。薄いボディを維持できている

カラバリは白と黒

マクロの実演中

ZenFone Zoomは、マニュアル撮影の機能が充実しているなど、ちょっとしたコンパクトデジカメ並の使い方ができながら、世界最薄光学3倍ズームもうたっており、ボディのでっぱりも大きくない。本体の持ち味は普通のスマートフォンとあまり変わらないように見え、これまでのカメラ特化スマホと比べると、かなり実用的な製品になりそうだ。