初音ミクを筆頭に、アニメやゲームのキャラクターが音楽に合わせて踊る映像が、YouTubeやニコニコ動画などの動画サイトでお馴染みとなっています。

こうしたダンスPV(プロモーションビデオ)は、プロのデザイナーが使用する高額なツールを使わなければ難しいものでしたが、2008年に公開されると同時にニコニコ動画で話題となったMMD(MikuMikuDance)をきっかけに、専門的なツールを使わなくても動画を作れるようになりました。

MikuMikuDance Ver.9.08

これをきっかけに、MMD対応のキャラクターモデルが多く作られ、ニコニコ動画を中心に多くの二次創作ものダンスPVがアップロードされています。自分の好きなキャラクターが、好きな楽曲で踊るPVを作ってみたいと考えて見たことがある方も多いでしょう。

キャラクターダンスPV作成・再生専用ソフトウェア「キャラミん」

そこで、今回ご紹介するのがキャラクターのダンスPVを作成・再生する専用ソフトウェア「キャラミん」です。このソフトでは、音楽ファイルを解析し、自動的に対応するモーションを選択してキャラクターを踊らせることができるのです。

PC に保存している MP3 ファイルをツールにドロップするだけで、3Dのキャラクターがリアルタイムで踊り出します。キャラミんには、制作ツールの「キャラミん Studio」と、再生ツールの「キャラミん OMP(おんぷ)」のふたつがあります。

キャラミん

キャラミん Studio

「キャラミん OMP」はシンプルなダンスPVプレイヤーとして使いやすいですが、細かいカメラワークの設定や歌に合わせて口を動かすリップシンクなどができません。曲に合わせて最適なモーションやカメラワークを個別に設定するには、編集ツールである「キャラミん Studio」を使います。こちらは有償のソフトウェアですが、曲に合わせて細かくモーションの選択やカメラワークの作成が可能で、完成したPVを動画として出力できます。

キャラミん Studio

同ソフトでは、MP3ファイルを選択すると自動的にモーションとカメラワークが生成されます。そこから、気になる部分を調整して自分だけのPVを作成します。 編集可能な項目は、大きく分けて以下の機能があります。

ビート: モーションの基本となる曲の拍子
モーション: 動きの選択
カメラ: カメラの動きの選択・編集
リップ: 歌詞に合わせた口の動きの編集
フィルター: 映像に重ねる演出効果の設定

POP ミュージックなど一般的な音楽であれば、音楽を解析した時点で適切なビートに調整されていますが、音楽とズレている場合は手作業でビートを合わせます。 モーションやカメラはビートに合わせて動くため、最初に確認・編集するのはビートとなります。

ビートの調整

モーションは、事前に用意されたモーションパックの中から、選択されているものが割り当てられます。多くのモーションを選択していれば多彩な動きとなりますが、使用するモーションを限定することもできます。使用するモーションが決まれば「全て再振り付け」ボタン、または「選択部分を再振り付け」ボタンでモーションを再選択できます。曲にあった組み合わせが見つかるまで、何度でも試せます。

モーションのプレビューと選択

PCの性能にもよりますが、モーションの再振り付けは非常に軽量で、画面下部のサムネイルも含めて、すぐに再生成されます。また、曲を再生しなくても、タイムラインの位置を指定することで、その状態のポーズになるためプレビューが容易です。

カメラワークの選択と編集

モーションと同様に、カメラワークも事前に用意されたライブラリが提供され、この中から自動的に割り当てられています。 カメラワークは既存のものだけではなく、「編集」タブでオリジナルのカメラワークを作成することもできます。

リップの設定

曲に合わせて自動的に踊ってくれるだけでも素晴らしいのですが、曲が歌の場合、口が動かないのは寂しいものです。リップを設定することで、曲に合わせてキャラクターの口が動く、いわゆるリップシンクが可能です。少し前までは、この作業を行う際は、発音の位置に合わせて歌詞を1文字ずつ入力する必要があり、かなりの手間だったと思います。しかし、同ソフトがVSQXファイルの読み込みに対応したため、VOCALOID 3のシーケンスファイルVSQXの下唇情報を、リップ情報としてキャラミんStudioのキャラクターに反映させることができるようになりました。なので、この機会に、リップシンクにもチャレンジしてみてほしいです。

フィルターの追加(スクリーントーン)

フィルターは画面全体に演出的な効果を与えるもので、「ライトブルーム」「スクリーントーン」「カラーフィルター」が用意されています。曲調が変化する瞬間や、間奏の演出に活用できるでしょう。

実際に作ってみた動画

まとめ

キャラミんは、PMD/PMX 形式に対応していることからもMMDのような3Dキャラクターを使った創作に興味があるユーザーに相性が良いツールであることが分かります。 自分好みの3Dキャラクターを動かして、手軽にPVを作りたいという要求に応えてくれるため、好きな曲とキャラクターの組み合わせを追求することができます。さらに、キャラミんストアからモデルや背景、モーションなどをダウンロードすることも可能です。是非、この機会に、同ソフトを使いながら、自分だけのオリジナルのPVを作ってみてはいかがでしょうか。