10月23日~31日に開催される第27回東京国際映画祭のラインナップ発表会が30日、都内で行われ、コンペティション部門をはじめとする各部門のラインナップが発表された。また、フェスティバル・ミューズに決定した女優の中谷美紀、コンペティション部門日本代表作品『紙の月』の吉田大八監督も登壇した。

左から、吉田大八監督、中谷美紀、椎名保ディレクター・ジェネラル

はじめに、ディレクター・ジェネラルの椎名保氏が「今年は、日頃映画にあまり関心のない方も楽しそうだなと思ってもらえるようなイベントを組むことになりました。一般の方にも楽しんでいただいて、映画祭の認知が高まれば、いい作品が集まって、さらに知名度が上がるのではないかと。このように認知度、知名度を意識しながら運営したい」とあいさつ。

続けて、時代を切り開く革新的な映画を世界へ発信し続けてきた映画人の功績を称える"SAMURAI(サムライ)"賞を新設し、初となる今年は「北野武監督とティム・バートン監督」の2人に贈ることを発表した。また、今年の東京国際映画祭の顔として、主要イベントなどで盛り上げるフェスティバル・ミューズが、中谷美紀に決定したことも発表した。

その後、中谷本人が登場。「人生において、苦しい時もいつも映画が私を救ってくれたように思います。お忙しい方々の日常を少しでも彩るような、何か大変なことからエスケープできたり、夢を抱いたり、豊かにするようなツールであってほしいと願っています」と映画の持つ力を語り、「映画を愛する者として、日本、東京を愛する者として、何か貢献できればと思っております」と意気込みを伝えた。

コンペティション部門では、国際審査員長に、大ヒット公開中の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督が決定。そして、日本代表作品『紙の月』をはじめ、セドリック・ジメネス監督の『マルセイユ・コネクション』、浅野忠信主演『壊れた心』など全15作品が発表された。『紙の月』の吉田大八監督も駆けつけ、「勝負事は嫌いじゃないので、自分ごととして映画を楽しめそうでワクワクしています」と心境を語った。

コンペティション部門 全15作品
『1001グラム』(監督:ベント・ハーメル)ノルウェー=ドイツ=フランス
『来るべき日々』(監督:ロマン・グーピル)[フランス]
『マルセイユ・コネクション』(監督:セドリック・ジメネス)[フランス=ベルギー]
『神様なんかくそくらえ』(監督:ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ)[アメリカ=フランス]
『アイス・フォレスト』(監督:クラウディオ・ノーチェ)[イタリア]
『メルボルン』(監督:ニマ・ジャウィディ)[イラン]
『ザ・レッスン/授業の代償』(監督:クリスティナ・グロゼヴァ、ペタン・ヴァルチャノフ)[ブルガリア=ギリシャ]
『マイティ・エンジェル』(監督:ヴァイテク・スマルゾフスキ)[ポーランド]
『ロス・ホンゴス』(監督:オスカル・ルイス・ナビア)[コロンビア=フランス=ドイツ=アルゼンチン]
『ナバット』(監督:エルチン・ムサオグル)[アゼルバイジャン]
『紙の月』(監督:吉田大八)[日本]
『破裂するドリアンの河の記憶』(監督:エドモンド・ヨウ)[マレーシア]
『遥かなる家』(監督:リー・ルイジン)[中国]
『壊れた心』(監督:ケヴィン・デ・ラ・クルス)[フィリピン=ドイツ]
『草原の実験』(監督:アレクサンドル・コット)[ロシア]