米Appleは現地9日に4.7インチの「iPhone 6」と5.5インチの「iPhone 6 Plus」、さらにスマートウォッチの「Apple Watch」を発表した。大型化したiPhoneのサイズやApple Watchのデザインなどを巡り、ネット上で様々な意見が飛んでいるが、新製品について、どのように映ったのか。ITライターの海上忍氏に記してもらった。

Android端末の新製品をみれば予想できた

新しいiPhone「iPhone 6」は、進化というよりは順当な"深化"を見せた端末といえるだろう。ボディと液晶サイズの大型化はひとまず置くとして、LTE回線で下り最大150Mbps(LTE Category 4)が利用可能になることや、LTEのパケット通信を利用した高品質の音声通話技術「VoLTE」、異なる周波数を束ねて通信速度を高める「キャリアアグリゲーション」、国内ではWiMAX 2+やSoftBank 4Gで利用できる「TD-LTE」のサポートは、チップベンダーの動向やAndroid端末の新製品を見れば予想できたことだ。

今度のiPhoneは、1334×750ピクセルの4.7インチ液晶を搭載する「iPhone 6」と、1920×1080ピクセルの5.5インチ液晶を搭載する「iPhone 6 Plus」の2モデル

iPhone 6のエッジ部分は丸みを帯びたデザインに変更された

SoCについても同じことがいえる。新しい「Apple A8」は、iPhone 5sのApple A7からCPUが25%、GPUが50%パフォーマンスアップ、A6からA7のときの性能改善幅(約2倍)を思えばおとなしく感じられる。もっとも、エネルギー効率は50%向上しているというから、"バッテリーのもち"を重視したとも理解できる。iPhone 5sで登場したコプロセッサがM7から「M8」に更新され、気圧センサーの採用で上下運動もトラッキング可能になった点も興味深い。

新CPU「Apple A8」のパフォーマンスは、初代iPhoneの約50倍に達するという