ベイパーチャンバー+パイプ?

ID-COOLINGという聞き慣れないメーカーのブースでは、ちょっと変わったCPUクーラーを見ることができた。通常、ベイパーチャンバーは薄い板状であるが、同社の「FI-REEX」シリーズは、板状のベイパーチャンバーと筒状の"ベイパーパイプ"が融合した「Vapor Chamber - Vapor Pipe」技術を採用している。

「Vapor Chamber - Vapor Pipe」技術。板と筒は内部で繋がっている

こちら側でCPUと接触する。気化した冷媒が熱を伝達する仕組みだ

まずベース部の板状の部分で、CPUからの熱を吸収。気化した冷媒はパイプの中を進んでいき、フィンに熱を直接伝えることができるというわけだ。ここで冷却され、液化した冷媒は再びベース部に戻る。8mm径のベイパーパイプを6本とヒートパイプを2本備えた上位モデル「FI-REEX DELUXE」の冷却能力は300Wだという。

14cmファンをデュアル搭載する上位モデル「FI-REEX DELUXE」

垂直に出ているのがベイパーパイプ。ヒートパイプも併用している

また、製品化の予定はないそうだが、同社のブースでは、巨大なファンレスクーラーの展示も行われていた。まるでフィンが翼のようになっており、片翼がCPUクーラー、もう片翼がVGAクーラーという構成。実際にPCとして動作していたのだが、さすがにこの大きさになると、ほとんど熱は感じなかった。

デモ用のファンレスシステム。周りがフィンだらけだが、下側のは飾り

後ろ側から見たところ。左翼がCPUクーラー、右翼がVGAクーラーである

以前のCOMPUTEXでは、こうした"やり過ぎ"系のデモが多々あったのだが、最近はどうも各社とも大人しくなってしまった印象。久しぶりにCOMPUTEXらしい展示物が見られて、ちょっと嬉しい。