オリコンMEはこのほど、ちょっとした不注意が引き起こした、思わぬ失敗やトラブルに関する実態調査をまとめた。対象は20代から50代の男女。2013年4月から2014年3月までの1年間で経験した失敗談を、仕事、家族などシーン別に訊ねた。

まず、仕事編で最も多かったのが「PC等でのデータ入力ミス、入力漏れ」で32.4%。次いで「書類の書き間違いや打ち間違い、記入漏れ」(31%)、「必要な作業をしてなかった」25.6%)の順に多かった。

次に家族編では、「家族と喧嘩をしてしまった」(43.5%)がトップ。以下「不用意な発言で家族の誰かを傷つけたり、怒らせたりしてしまった」(30.2%)、「お金の使い過ぎ」(24.9%)と続いた。

恋愛編では、「不用意な発言や行動で相手を怒らせてしまった、傷つけた」が62.7%、「喧嘩をしてしまった」(50.6%)がともに過半数で、家族編と同様の結果を示した。以下は「相手を思いやらなかった」(45.1%)、「デートに遅刻した」(8.6%)、「嘘が発覚した、しそうになった」(7.1%)の順に回答が多かった。

レジャー編では、「交通機関に乗り遅れた、乗り遅れそうになった」が30.4%でトップ。2番目に多かったのは「道を間違えた、迷った」(24.9%)、「必要なものを家から持ってくるのを忘れた」(21.9%)、「交通機関を乗り間違えた」(9.9%)、「モノを旅行先に忘れた」(9%)と、主に移動の際に生じたトラブルや忘れ物に関するトラブルに二分された。

こうした日常のうっかりミスの原因と対処法について、精神科専門医の姜昌勲先生は「人の脳というのは、処理できる量には限界があります。作業をこなすために脳の中で一時的に情報を記憶・保管するワーキングメモリーというものの容量が限られているからです。この容量を超える作業量をこなそうとすると、不注意による失敗が起きやすくなります。この容量は人それぞれ異なるため、まずは自分のワーキングメモリーの容量を知ることが大切。容量が小さければ、メモを取るなどの方法で脳内の作業に留めないようにすることで、ミスを減らすことが可能です」と解説する。

一方、幼少期から不注意の傾向が強いと感じている場合は、“AD/HD”の可能性もあるという。「AD/HDとは、不注意さや多動性、衝動性を特徴とする発達障害で、主に子どもの病気と思われていますが、実は大人も例外ではありません。単に集中力がない、落ち着きがない、忘れっぽいなど個人の気質として片づけられる場合も多く、病気として認識されず、わかりづらいものです。しかし、AD/HDが原因であれば、薬などを使った治療によって問題の改善もできるので、不注意が多く悩んでいる場合は、一度専門医の受診を」とアドバイスしている。