バイドゥは29日、同社が無料配布している日本語入力システム「Baidu IME」について、2013年内のバージョンアップと、既存/新規ユーザーへの対応を表明した。

Baidu IMEでは、ユーザーが入力したデータがバイドゥ側のサーバーへ自動送信されるとして物議を醸している。バイドゥは12月26日にも声明を出しており、「ユーザーの事前許諾なしに情報が送信されることはない」「クレジットカード番号やパスワードなどの信用情報、住所や電話番号などの個人情報は収集していない」「サーバー機器とデータは日本国内でのみ管理」としていた。しかし、いくつかの自治体が「知らぬ間にインストールされていた」「知らぬ間に情報が送信されていた」とコメントし、総務省が全国の自治体に注意喚起する事態となっている。

今回提供されるBaidu IMEの新バージョンでは、「クラウド入力(クラウド変換サービス)」をデフォルトで無効化。この機能は、ユーザーが入力した内容をクラウドサーバーへ送信したり、日本語変換時にクラウドサーバーと通信したりすることで、変換精度を高めるものだ。既存ユーザーがBaidu IMEをバージョンアップする際には、クラウド入力の説明を表示し、使用の承諾を求めるようにする。これにより、新バージョン以降は、クラウド入力について認識および承諾したユーザーのみが使用することになるという。

新規ユーザー(これからBaidu IMEをインストールするユーザー)に対しては、「インストールする際に十分にご理解いただけるよう、わかりやすく配布について事前に表示」とし、「Baidu IMEについてご認識、ご了承いただいたユーザーのみがご利用」と述べている。なお、12月25日以降に配布されているBaidu IMEでは、クラウド入力がデフォルトで無効となっている(それまではデフォルトで有効)。