女優の吉永小百合、俳優の阿部寛、タレントで俳優の笑福亭鶴瓶らが18日、都内で行なわれた、映画『ふしぎな岬の物語』の製作発表会に出席した。

左から、原作者の森沢明夫、笑福亭鶴瓶、吉永小百合、阿部寛、成島出監督

森沢明夫の『虹の岬の喫茶店』(幻冬舎文庫刊)を原作にした同作は、小さなカフェを営む女店主とそこに集まる人々を、吉永と成島出監督の共同企画で描く物語。海を望む"岬カフェ"には、女店主の柏木悦子(吉永)が淹れるコーヒーを目当てに様々な人が集う。そんな悦子を守り続けているのはたびたび問題を起こす甥の浩司(阿部)で、30年来の常連客であるタニさん(鶴瓶)は、2人の良き理解者。そんな時、父親と衝突して家を飛び出したみどり(竹内結子)が数年ぶりに帰ってくる――というストーリーで、映画は2014年秋に公開予定。

女優人生で初めて企画に携わる吉永は、「シナリオに関してこう思うと言ったことはあるけど、全くの素人。成島監督にはご迷惑を掛けている」と恐縮しつつ、「撮影に入ったら、"3倍返し"で演じたいと思っております」と笑わせながら意気込みを。「今の社会は混迷していて明日が見えない。人と人が助け合って生きていくのが大切だと思っている。小さな世界の物語だけど、そんな雰囲気が出せれば」と同作への想いを語った吉永は、「未来に希望がある作品。みなさんに温かい気持ちになって欲しい」と笑顔でアピールした。

また、共演の阿部は所属事務所の先輩である吉永とは初共演で、「エキセントリックで今までやったことが無い役。吉永さんとご一緒するということで、全精力を傾けて臨みたい」と気合を入れると、吉永は「ジムではお見かけしてましたし、事務所では先輩なので、本当の甥のよう」とにっこり。一方、映画『おとうと』(2010年)で共演した鶴瓶に関し、吉永が「普段はメル友なんです」と明かすと、鶴瓶は「吉永さんから血判を押してあるような手紙を頂いてビックリした。絶対に断れないでしょ!?」と言いつつ、「タモリさんに言ったら、『本当は僕がやるはずだった』と悔しがってた」とニンマリ。そんな2人の劇中での関係を聞かれた吉永は、「30年間、熱~い関係です」と意味深に微笑んでいた。