QH55/Mのもう一つの武器はドットピッチ299ppi、2,560×1,600ドットを誇る高精細液晶の存在だ。最近のWindows 8/8.1搭載機は1,366×768や1,920×1,080といった縦横比16:9の液晶を採用するものが大多数だが、QH55/Mはあえて縦横比16:10の液晶を採用している。

Android端末に16:10の端末が多いこと、そして単純に16:10のほうが情報量が多いことが採用の理由と富士通は説明している。特にQH55/Mは液晶を横置きにして使うことを想定しているため、16:9よりも16:10のほうが縦方向の情報量が増えて好適なのは確かだ。

解像度は2,560×1,600ドットだが、Windows 8.1のDPIスケーリングは標準で最大に設定されているため、文字は大きく見やすい

文字や画像の表示は非常に見やすく、他社のWindows 8.1タブレットを大きく引き離している。図の赤線は16:9液晶との境界を示している

視野角は十分に広い。ここまで極端に斜めから見るとコントラストが薄くなるものの、淡いグレーなどの色味が化けていない

2,560×1,600ドットの解像度で、フルHD(1,920×1,080)の壁紙を等倍表示させると図のようにちょっと間抜けなことになる

今回もXrite社製のキャリブレータ「i1 Display Pro」で液晶の味付けをチェックしてみた (色温度D65に設定)。ガンマカーブがちょっと変則的なカーブを描いているが、発色に問題は見られない。色域はsRGBより赤や青の領域がやや狭いが、タブレットの液晶としては十分な表現力を持っている。

なお、近日公開する本レビューの「後編」では各種ベンチマークテストを通じて、"Bay Trail-T"ことIntel Atom Z3770を中心としたQH55/Mの処理性能について検証していく。

QH55/Mのガンマカーブ (左)と色域 (右)。グレーで表現されたsRGBの色域に対し、青~赤が微妙に弱いが、タブレットとしては優秀な表現力を持つ

製品名 ARROWS Tab QH55/M
CPU Intel Atom Z3770 (1.46GHz)
メモリ LPDDR3-1066 4GB (2GB×2)
グラフィックス Intel HD Graphics (CPU内蔵)
ディスプレイ 10.1型ワイド液晶(2,560×1,080ドット、タッチパネル)
ストレージ 64GB SSD
ネットワーク IEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0+HS、NFC
インタフェース USB 3.0×1、USB 2.0×1、microSDカードスロット、80万画素Webカメラ、200万画素Webカメラなど
サイズ/重量 W267.0×D180.8×H9.9mm/約650g
バッテリ駆動時間 約15.5時間
OS Windows 8.1 32bit
店頭価格 105,000円前後