まずは、QH55/Mの外見からじっくりチェックしていこう。10.1型液晶を搭載した本体のフットプリントは267mm×180.8mmのほぼB5サイズ。ベゼル部分がやや広い印象を受けるが、薄さを9.9mmにまとめつつ38Whのバッテリを収め、さらに防水・防塵設計まで盛り込んだことを考えれば拍手ものだ。

IPX5/7/8の防水保護等級を満たすため、端子類は防水カバーの中に格納されている。USB機器やACアダプタを接続する頻度が高いと開閉が面倒だが、カバーを閉じておけば、風呂でも使えるのは非常にありがたい。ちなみに、IPX8は常温の静水で水深1.5m、約30分間沈めても大丈夫という基準、IPX5は約3mの離れたところから3分間、12.5L/分の噴流に耐えるという基準だ。

底面積をA4のクリアファイルと比較したところ。B5用紙の長辺を10mm長くすれば、ほぼドンピシャのイメージがつかめるはず

IPX5/7/8対応の防水仕様なので、少々水をかけた程度では全く問題はない。付属のスタイラスペンも防水仕様なので、濡れた状態でも普通に使える

QH55/Mの表面にはエタノール/IPA/次亜塩素酸ナトリウムの3つの薬品に耐える処理が施されていることも興味深い。ビルの入り口に置いてあるような消毒液が付いた手で触れても溶けたりしないし、アルコール除菌シートでガンガン拭いても大丈夫だ。小さい子供がいる家庭や、医療の現場などで使う時には非常に頼もしい仕様といえる。

QH55/Mは消毒用アルコール程度ではビクともしない

1,024段階の筆圧を検知可能なスタイラスペンは本体底部に格納できる。このペン自体もIPX2準拠の防滴仕様だ

外部拡張用のインターフェースはUSB 3.0とUSB 2.0が各1基あるが、USB 2.0のMicro USB端子は本体バッテリの充電用としても使える。USB経由の充電速度はかなり遅いが、外出先でACアダプタがないときに、急場凌ぎができる設計は非常にうれしい。この他にもユーザ切り替え時に便利なNFCや指紋センサ、GPS/加速度/地磁気/ジャイロセンサなど充実した装備を誇っている。

右側面にはmicroSDカードスロットやUSB 3.0、USB 2.0、ACアダプタ用コネクタを備える

左よりヘッドホン端子、電源ボタン、ボリューム調整ボタン、そしてQH55/M独自の「ショートカットボタン」

ヘッドホン以外の端子はすべて防水カバーを開けてからアクセスする。USB 3.0の端子は標準サイズだが、USB 2.0はMicro仕様になっている

別売の拡張クレードルなどとドッキングするためのコネクタ部は端子が開放されていた。防水とはいえ端子を濡らしたたままの接続はやめておこう

付属のACアダプタは高速充電には欠かせないが、もし忘れてもUSB2.0経由で(低速ながら)充電することも可能だ

本体左側面にある「ショートカットボタン」には複数の機能が割り当てられている。まず軽くワンプッシュすると「ステータスパネル」が開く。ここでは無線LANやBluetoothの有効・無効化、CPUの省電力動作モードなどをひとまとめに設定できる。バッテリ残量が心もとない時に使うと便利なパネルだ。

ショートカットボタンを長押しすると、その時点のスクリーンショットを撮影し、任意のアプリで開くことができる。通常のPC環境でスクリーンショットを撮るには、[PrtScn]キーを叩いてからペイントを起動してペーストして……とか、Windows 8/8.1のSnipping Toolを起動して領域を指定して……といった面倒な手順が必要だが、QH55/Mなら2ステップで全画面のスクリーンショットが編集可能な状態で開ける。そのままスタイラスペンで好きにマーキングすることも自在だ。

「ショートカットボタン」を軽く押すと出現するメニュー。上部に並ぶ「プレゼンテーションモード」などは下に並ぶ設定を一括して変更できる“省電力用プロファイル”だ

「ショートカットボタン」を長押しすると、スクリーンショットを開くアプリを選択するダイアログが現れる