ヤマハは9月12日、「AVENTAGE」シリーズのフラッグシップモデルとなるAVプリアンプ「CX-A5000」、パワーアンプ「MX-A5000」を発表した。それぞれ、ブラックとチタンの2色が用意されており、ブラックは10月上旬、チタンは12月中旬発売。希望小売価格は、CX-A5000が262,500円で、MA-A5000が315,000円。

AVプリアンプ「CX-A5000」(左)と、パワーアンプ「MX-A5000」(右)

2モデルともに、セパレート構成になった11.2ch対応のAVアンプだ。両モデルとも、H型クロスフレーム&ダブルボルト構造を採用する高剛性シャーシ、設置時の安定性を高めて共振を抑える5番目の足など、これまで「Z」シリーズや「AVENTAGE」シリーズで培ってきた筐体設計技術がフル投入されている。

CX-A5000の電源部は、オーディオ回路、デジタル回路、FLディスプレイ回路と、回路ごとに分離。電源供給の最短化と干渉の防止によるS/N比向上が図られている。DACは、ESS社製の32bit DAC「SABRE32 Ultra DAC ES9016」を2基搭載。入力部とDAC部の電位差をなくすことで微小入力時の再生品質を高める「D.O.P.G.(DAC on Pure Ground)」コンセプトも採用されている。パワーアンプへのプリアウト出力は、アンバランスとバランスの両方を装備。バランス端子には、ノイトリック社製金メッキ仕様XLR端子が採用されている。

水平方向だけでなく、高さ方向の音場情報を加え、空間情報の完全再現を目指す「シネマDSP HD3(エイチディ キュービック)」のフルプログラムを搭載。また、VPS(バーチャル・プレゼンス・スピーカー)機能により、11.2chのフル環境未満でも3D再生が可能だ。

映像処理回路は4K/1080pへのアップスケールに対応する。I/P変換は3次元動き適応型。動き適応型/エッジ適応型デインターレース、マルチケイデンス検出、ディテール&エッジ強調、映像信号調整機能を搭載する。HDMI端子は入力8系統/出力2系統を装備。HDMI出力は、同時出力とZone出力に対応している。

「CX-A5000」(左)と、「MX-A5000」(右)の背面パネル

ネットワーク機能は、AirPlay/DLNA 1.5に対応。専用アプリ「AV CONTROLLER」を使用することで、iPhoneなどのアップル製品だけでなく、Android端末からのワイヤレス再生も可能だ。DLNAでは、WAV/FLAC形式で192kHz/24bitまでの再生に対応している。また、インターネットラジオのvTunerも利用可能だ。

MX-A5000は、定格出力230W×11ch(6Ω時)のパワーアンプ。DSP-11と同じく、3段ダーリントン出力段・電流帰還型パワーアンプ回路が採用されている。中央に電源部、左右対象にパワーアンプブロックを配置したシンメトリー構成を採用。電源部には大型のトロイダルトランス、27000μFのブロックケミコンを搭載。駆動系とオーディオ系で電源を分離することで、ローノイズ化が図られている。

入力とスピーカー端子をフレキシブルにアサインすることが可能で、5ch分のスピーカーをすべてバイアンプ接続にしたり、センタースピーカーを3台使用したり、Zone出力を利用したりする切り替えが、ケーブルをつなぎ変えずに行える。

本体サイズは、CX-A5000がW435×D448×H192mmで、MX-A5000がW435×D463.5×H210mm。質量は、CX-A5000が13.6kg、MX-A5000が25.4kgとなっている。