上杉謙信と風水?

以前、NHKの大河ドラマで、『天地人』という番組がありましたが、覚えておいででしょうか?

ところでこのタイトル「天地人」ですが、どのような意味があるか、ご存知ですか?

実は、主人公直江兼続の主君、上杉謙信が理想の武将像を語った語録から。

「謙信公曰く。天の時、地の利に叶い、人の和ともに整いたる大将というのは、和漢両朝上古にだも聞こえず。いわんや、末代なお有るべしとも覚えず。もっとも、この三事整うにおいては、弓矢も起こるべからず、敵対する者もなし」

つまり、「天のとき」「地の利」「人の和」こそが最強の武将の資質であり、それをバランス良く備えていれば、「競争にすらならない=無敵」であるということです。

中国の伝統的な運勢学で言えば、「天のとき」を知るのは四柱推命、「地の利」を知るには風水ということになります。

四柱推命は、その人の誕生時刻から、人生のバイオリズムを把握する統計学問、つまり自分にとって一番良い「時」を知り、「天」の動きと鑑みてベストな日時に行動することを目的とします。

「地の利」は、単に戦に有利な土地柄という意味もありますが、風水によって土地の「相」を見て、動く方角、方向などを定めることを意味します(奇門遁甲という方位の専門学問もまた別にあります)。

即ち、四柱推命と風水を使いこなし、良い人財を育んだ者が天下の覇者となる、ということになりますね。

風水は、日本へは奈良時代に入ってきたといいますから、戦国の武将たちも、その「先進国」中国のセオリーを学び、実践しようとしていたのかも知れません。ロマンを感じますね。

天地人を図形化した身近なものとは?

ちなみに、「天地人」を常に意識した古代の皇帝は、ある日常品にそれを表現しました。 何だかお分かりでしょうか?

答えは「通貨」です。

古い銅銭などで、丸い形で真ん中に四角の穴の開いたものをよく見かけますが、あの形には実は意味があるのです。

円形が「天」を、方孔が「地」を表現し、その間を「肉」と呼び「人」を表します。すなわち「天地人」となり、特別な力を持つと考えたのです。

今でも、古代の強い力を誇った皇帝たちの発行した方孔の貨幣は、特別なパワーを持った縁起物として高値で取引され、財布に入れる種銭や、家を作るときに地下に埋めたりするんですよ。

<著者プロフィール>

高木芳紀(たかぎよしのり)

風水オフィスアドバイザー。1971年名古屋生まれ。金沢大学卒業後、商社に就職。繊維、IT、放送関連機器の部署にて営業職を経験後、同社にいた先輩の家業であるアスクル代理店の「株式会社つばめや」に転職。新規事業企画担当兼ウェブマスターとして、主にインターネットを活用したオフィスサプライ通販の独自路線を開拓中。その中でオフィスの効果的なレイアウト手法のひとつとして風水と出会い、「風水オフィスドットコム」を立ち上げる。新たなる癒しの時代、創造の時代のキーワードとして、企業のオフィス作りを支援し続けている。自らに課したテーマは「仕事とオフィスの最適化!」