貫地谷しほりの初主演映画『くちづけ』の初日舞台挨拶が、5月25日に丸の内TOEI2で開催。貫地谷しほり、竹中直人、宅間孝行、堤幸彦監督が登壇した。

左から、堤幸彦監督、竹中直人、貫地谷しほり、宅間孝行

主演の貫地谷が演じたのは、30歳の体に7歳の心を持つ知的障害者の娘マコ。竹中は、彼女をこよなく愛する、かつて「愛情いっぽん」というペンネームの漫画家だった父親役に扮する。ふたりは、知的障害者たちのグループホームで平穏に暮らしていたが、やがて悲劇が起こる。本作は、惜しまれながら2012年に解散した劇団・東京セレソンデラックスの同名舞台の映画化作品だ。

貫地谷は「今日は『くちづけ』のお誕生日に来てくださってありがとうございます。全員が愛情込めて作った作品です」と力強く本作をアピール。さらに「初主演作は人生で一度きり。それがこの作品で、嬉しすぎるというか、ありがたすぎるというか。いろんな思いでいっぱいで言葉にできません」と喜びを語った。

貫地谷と『スウィングガールズ』(2004年)、『僕らのワンダフルデイズ』(2009年)に続き、映画は3度目の共演となった竹中は「しほりちゃんの顔を見るとほっとするんです。また、スタッフたちも素晴らしかった」とコメント。舞台に続き、マコと恋仲となるうーやん役と、脚本を手掛けた宅間は、「舞台が映画になるなんて奇跡に近いこと。たくさんの方に見てもらえるチャンスができたことが嬉しいです」と感激していた。また、堤監督は「ずっと子供の頃から、世の中の不条理にどう向き合っていくか、うじうじ悩んでいたけど、僕は映像の仕事をやっているので、こういう形で世の中に何かを発信できればと。エンターテインメントの中でも、何かを見せることができると思えました」と、手応えを口にした。

6月の第3日曜日が父の日ということで、舞台あいさつ終了後、ゲスト陣から観客全員にサプライズでプレゼント。貫地谷たち4人が出口に並び、感謝の思いを込めた黄色いバラを一人ひとりに手渡しをしていった。観客も笑顔で受け取り、興奮しながら会場を後にしていた。