X100Sの操作性は極めてシンプルだ。基本的に、レンズの絞り環で絞り値を決めるか、ダイヤルでシャッター速度を設定して、ファインダーを覗いてシャッターを切る。ただそれだけ。メニューボタンで絞り設定をコールする必要もなければ、○○ボタンを押しながら××ダイヤルを回して……なんて操作をする必要もない。

操作系は左右に振り分けられており、しっかりと両手でホールドして使うことを前提としている

AFのフォーカスポイントを移動させるのに、一度「AF」(ダイヤルの上)を押さなければならないのがやや不便

ダイヤルによる操作はシンプルかつわかりやすく、環境の変化にも機敏に反応できる

レンズ光学系を模した「FUJINON LENS SYSTEM」のロゴ

シャッターボタンには、レリーズケーブル用のネジ穴が切られている(大切)

絞りを設定すれば絞り優先AEに、シャッター速度AEを設定すればシャッター速度優先モードになる。さすがに露出は自動だが、操作そのものはクラシックカメラのそれに近い。左手の指で絞り環を回し、右手の指でシャッター速度ダイヤルを摘む。露出補正は親指の腹で。各スイッチは、その操作を誘うかのような絶妙な位置に配置されており、操作性は軽快で機敏だ。もちろん「P」(プログラム)モードも装備しているが、このカメラを使うなら、やはり絞りやシャッター速度から割り出した画作りと、理に適った美しい操作性を楽しみたい。

セルフタイマー・レバーを模しているのは、光学式ビューファインダーと液晶ビューファインダーを切り替えるレバー

レンズに刻まれた「SUPER-EBC」は、フジノンレンズ独自のコーティング技術のこと

本体側面に配置されているフォーカスモード切替スイッチ(あまり使わない)

反対側にはUSBとHDMIのコネクター。USBは外部マイク(別売)IFを兼ねる

三脚取り付け穴は、レンズ軸上からややオフセットされている

記録メディアは、SD/SDHC/SDXCカード。標準撮影枚数はCIPA規格で約330枚

次ページ: 大判プリントの作品に仕上げたくなる美しさ