各作品のひと言コメント付きで採点した(3点満点)。ドラマ選びの指標にしていただきたい。
| 作品名・放映日時・放送局 | 出演者 | 寸評&採点 |
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『確証～警視庁捜査3課』 月曜20時～ TBS系 |
高橋克実 榮倉奈々 設楽統 | 刑事モノでも珍しい捜査3課が舞台。犯罪のプロである窃盗犯との心理戦、派生した殺人事件の解決、警察エリート・捜査1課とのバトルなど見どころは多く、20時台らしいシンプルかつ丁寧な演出も好印象。『ハンチョウ』に続いてシリーズ化への期待が膨らむ。 【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『ガリレオ』 月曜21時～ フジ系 |
福山雅治 吉高由里子 北村一輝 | 6年ぶりの続編。目新しさはないが、東野圭吾原作×福田靖脚本は、安定感抜群で、福山も前作以上に変人キャラを仕上げてきた。吉高の騒がしさがワントーン浮いているのは気になるが、細部の演出や小道具にもこだわりが見られ、春ドラマの大本命らしい好スタート。 【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『鴨、京都へ行く』 火曜21時～ フジ系 |
松下奈緒 椎名桔平 若村麻由美 | フジ得意の女将奮闘モノ。設定と物語は「昼ドラ?」と思わせるほどベタだが、官僚から旅館女将に転身する主人公は、松下にとってハマリ役。序盤は徹底的に嫌な女を演じ切っていた。現代劇では珍しいオール京都ロケであり、風景、老舗旅館、着物など目に優しい。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆】 |
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『第二楽章』 火曜22時～ NHK系 |
羽田美智子 板谷由夏 谷原章介 | アラフォー女性の友情と愛がテーマの同枠らしいドラマ。「夢を選んだ女」と「結婚を選んだ女」の対比など、繊細な心の動きが丁寧に描かれていた。地味だが、人間心理を追究した良質な作品。ただ、羽田と板谷は顔のタイプが似ているため、油断すると間違える?! 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『幽かな彼女』 火曜22時～ フジ系 |
香取慎吾 杏 前田敦子 | 学校問題を幽霊という飛び道具で解決するハートフルコメディ。扱うテーマは平凡だが、杏と佐藤二郎の幽霊ぶりは文句なしで面白い。脚本の古家和尚はスマップ作品の実績十分で、高嶋政宏と濱田マリの曲者2人をどう扱うかも注目。香取の気だるい演技は賛否両論か。 【脚本☆☆ 演出☆ キャスト☆ 期待度☆】 |
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『遺留捜査』 水曜21時～ テレ朝系 |
上川隆也 斉藤由貴 八嶋智人 | シリーズ第3弾。舞台は前作と同じ月島中央署だが、枠は第1シリーズの水9へ戻った。謎解きと被害者の心情描写は相変わらず繊細で、クライマックスに向かい一気に盛り上がる。新メンバーの西村雅彦、波岡一喜の復帰などの人事異動もファンにはうれしい。 【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】 |
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『雲の階段』 水曜22時～ 日テレ系 |
長谷川博己 稲森いずみ 木村文乃 | "メディカル・ラブサスペンス"というテーマ通り、過疎の離島、無資格医師、大人の三角関係と、重厚さは断トツ。渡辺淳一原作だけに濃い恋愛模様への期待値も高いが、主演3人は役にハマり、心の機微を表現できていた。初回から飛ばしただけに1クール持つか。 【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】 |
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『家族ゲーム』 水曜22時～ フジ系 |
櫻井翔 神木隆之介 鈴木保奈美 | 冒頭からラストまで、視聴者の裏を突く思い切った演出が目白押し。櫻井の裸やAKB北原里英のキスなど、口コミ狙いも忘れない。脚本・演出ともにスタッフは盤石であり、「変人を演じ切れるか?」櫻井の出来に左右されそう。名作リメイクだけに視聴者の目はシビア。 【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆ 期待度☆☆】 |
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『ダブルス～2人の刑事』 木曜21時～ テレ朝系 |
伊藤英明 坂口憲二 夏菜 | 濃い顔とマッチョボディの熱い刑事モノ。"現代版『あぶない刑事』"の期待もあったが、アクションや2人のかけ合いは控えめで、脱力感もなく、ハジけ切れなかった印象。尾崎将也の脚本にしては、人物の描き分けが不十分だった。ダブルのシャワー姿は『海猿』か! 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『潜入探偵トカゲ』 木曜21時～ TBS系 |
松田翔太 松岡昌宏 蓮佛美沙子 | 初回はキャラの色分けをしつつ、伏線から事件解決への流れもスピーディーかつダイナミック。松田の"父譲りの探偵役"や潜入コスプレが話題になっていたが、見応え十分だった。視聴率は厳しそうだが、松田が画面を駆け巡るアクションシーンは裏番組を凌駕。 【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆ 期待度☆☆】 |
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『ラスト シンデレラ』 木曜22時～ フジ系 |
篠原涼子 三浦春馬 藤木直人 | イケメンだらけ、純粋でスキの多いヒロイン、肉食キャラの友人など、韓流ドラマを思わせるラブコメ。男女を問わずキャストは、かつてない露出を見せるが、設定もセリフもリアリティに欠ける。"おやじ女子"を全面に出す、恋愛川柳をはさむなどの演出も既視感が。 【脚本☆ 演出☆ キャスト☆☆ 期待度☆】 |
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『TAKE FIVE～俺たちは愛を盗めるか』 金曜22時～ TBS系 |
唐沢寿明 松雪泰子 松坂桃李 | サスペンスとミステリーがほどよくミックスされ、物語の展開も軽快。脚本は事件モノの名手・櫻井武晴だけに不安なし。唐沢、松坂、稲垣吾郎の3世代俳優が競うように良さを引き出し合っている。「愛」の連発は白々しいが、同枠ターゲットの大人女性は満足かも。 【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆】 |
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『お天気お姉さん』 金曜23時15分～ テレ朝系 |
武井咲 大倉忠義(関ジャニ∞) 佐々木希 | お天気がテーマの事件解決ミステリー。無愛想&黒服の武井を筆頭に、ゆとり世代の刑事・大倉、女子アナの佐々木希、お天気お姉さんオタクの佐々木蔵之介など、初回でキャラを立てたのは見事。トリックがお天気だけに深みやカタルシスは少ないが、見やすい作り。 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『35歳の高校生』 土曜21時～ 日テレ系 |
米倉涼子 溝端淳平 片瀬那奈 | 今回も米倉は「媚びない」＋ミニスカの強烈キャラで勝負。そこに学園ドラマ、ミステリーなど、ヒット要素てんこ盛りの体制で臨む。初回から「便所メシ」「スクールカースト」というキャッチなフレーズで視聴者を引きつけた。目新しさはないが、差別化できている。 【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】 |
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『間違われちゃった男』 土曜23時10分～ フジ系 |
古田新太 中丸雄一 | 今回もチャレンジ枠らしく、舞台作品を採用し、連ドラ初主演の古田を起用。舞台ノリの演出で、生き生きとした姿を見せる。人違いがきっかけの荒唐無稽な設定から、どう笑い泣きに落とし込めるか。名作だけにクライマックスは楽しめそうだが、そこまで待てる?! 【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆ 期待度☆】 |
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『空飛ぶ広報室』 日曜21時～ TBS系 |
新垣結衣 綾野剛 柴田恭兵 | 映像化が続く有川浩原作のドラマ化。初回は主演2人のキャラやトラウマを強烈に対比させつつ、恋愛要素をチラ見せした。前作『とんび』に続いて確信犯的な"泣かせ演出"は気になるが、航空自衛隊を扱う物語は新鮮。柴田恭兵ら広報室メンバーの多才さも楽しい。 【脚本☆☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】 |
木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ評論家、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間（同時視聴含む）を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴する重度のウォッチャー。雑誌やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。
