筆者は職業柄、よくスマートフォンの操作や不具合の質問を受ける。その中で多いものが「最近、動作が遅くなった」と言う相談である。原因はさまざまだ。一人ひとり、インストールしているアプリや設定項目などチェックさせて頂くのだが、最近多い原因のひとつがLINEやカカオトーク、commなどの無料通話アプリを複数使っているケースだ。

複数の無料通話アプリ併用はあまり良くないようだ

なぜ、無料通話アプリの複数利用に問題があるのか。それは無料通話アプリの仕組みに関係がある。そもそもLINEなどのアプリは起動していなくても、プッシュ配信で着信やチャットを待ち受けている。待ち受けていると言うことは、画面上で見えなくても端末の電源が入っている状態であればアプリケーションはバックグラウンドで起動しているのである。

そもそもAndroid端末はSMS、キャリアメール、Gmailなどの多くのGoogleのデフォルトサービス用アプリがバックグラウンドで待機している。そこに更にLINEとカカオトークが待機することになれば更に多くのメモリが消費されるというわけである。

ここで言うメモリとはRAMの事である。最新の端末のRAMは2GBの搭載になりつつあるが、まだまだ一般に使われているAndroid端末のRAMは1GB未満のものがほとんどである。Android端末はこのRAMからアプリケーションの実行のリソースメモリを使っている。RAM容量が大きい方がアプリはスムーズに実行する事ができるのだ。よって待ち受け時のRAMの残容量はスマートフォンの安定にかなり重要ということなる。リソース監視用アプリで起動アプリをチェックして300MBをきっていた場合、それは快適とはとても言えない状況と言えるだろう。待ち受け(駐在)タイプのアプリが複数あると言うことは、そういうことなのである。

メモリ監視アプリで見てみるとリソース不足は一目瞭然だ

「動作が重い」と思っている人はまず、LINE、カカオトーク、commなどの無料通話アプリを複数使っていないか確認してみよう。インストールして利用設定を終えていればバックグラウンドで起動している可能性がある。使っていないのなら思いきってアンインストールした方が良いだろう。

もちろん、キャッシュや履歴の消去、タスク制御などもAndroid端末を快適に使うための必須であることに違いない。だが、むしろ1回程度しか使っていないアプリはアンインストールするくせを付けておいたほうが良いだろう。毎日の日常生活習慣と同じで、スケジュールや案件を整理したところで作業場や部屋が片付いていなければ身動きがとれない。スマートフォンにもこれが当てはまるのである。

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