ツインバード工業が11月に発売したワイヤレス防水テレビ「WIRELESS ZABADY(ワイヤレス ザバディ) VW-J108W」をお借りしたので、簡単な製品レビューをお届けしたい。

ワイヤレス防水テレビ「WIRELESS ZABADY VW-J108W」

浴室でテレビを見たいというニーズは、それなりに多いのではないだろうか。筆者もスポーツ中継を見ているときなどには、欲しくなることがある。途中から録画して見るよりも、やはりライブで楽しみたいのだ。

一般的には、浴室にはアンテナ端子は来ていない。そういった環境で視聴できるテレビというと、どうしてもワンセグチューナーを搭載した製品が中心となってしまう。もちろん、家の新築時や改装時に、壁内を通して浴室にアンテナケーブルを引き、壁面に防水タイプのテレビを設置するという選択肢もある。しかし、これは相当にコストがかさむし、賃貸物件ではまず不可能だ。

IPX 7相当の防水性能も持つモニターユニット

WIRELESS ZABADYは、そういった問題を解消する手段の一つだ。製品は、ポータブルテレビスタイルのモニターユニットと、別体式のチューナーユニットで構成される。モニターユニットはIPX 7相当の防水性能を持っており、浴室での使用にも問題はない。上の写真のように、各所に防水パッキンが使用されている。モニターユニットと、チューナーユニットを無線で接続することで、アンテナ端子のない浴室でも、普通にフルセグのテレビ放送を受信できるという製品だ。

ワイヤレスだがシンプルなセッティング

セッティングは非常にシンプルだ。モニターユニットは充電式なので、準備段階として、充電台にACアダプターをセットして、モニターユニットをセットする必要がある。これで充電がスタート。約6時間でフル充電され、最長約5時間の連続視聴が可能だ(余計なお節介ではあるが、そこまでの長風呂は危険だと思う)。チューナーユニット側にも、ACアダプターと、そしてアンテナケーブルを接続する。

チューナーユニットの背面端子

上の写真は、チューナーユニットの背面だ。一番左が地上デジタル放送用のアンテナ端子、その隣がACアダプター端子、続いてminiB-CASスロットだ、それよりも右側のLAN端子と「ネットワーク/テレビ」の切り換えスイッチはサービス用で、一般ユーザーが使用することはない。非常にシンプルな構成だ。見ての通り、チューナーユニットには、アンテナ端子以外の外部入力端子は存在しない。そのため、視聴できるのは地上デジタル放送のみで、DVDなどのビデオ機器を接続することはできない。もっとも、浴室でビデオを見たいというユーザーに対して、同社は防水のDVDプレーヤー「DVD ZABADY」をリリースしている。DVD ZABADYではWIRELESS ZABADYと違い、チューナーはワンセグのみとなっている。詳細は別記事を参照していただきたい。

チューナーユニットの準備ができたら使用可能

さて、電源ランプが青に点灯し、通信の緑のランプが点灯したら、準備完了だ。なお、チューナーユニットには電源ボタンが装備されていない。ACアダプターを接続したら、常に通電している状態だ。チューナーユニットの消費電力は4.8W。気になる人は、使用しないときには電源プラグを抜いておくか、あるいはスイッチ付きの電源タップを使用するとよいだろう。

リモコンの電源ボタンを押すか、モニターユニットの電源ボタンを長押しすると、テレビが起動する。起動時のメニューには、「テレビを見る」と「無線通信を設定する」の2項目がある。「無線通信を設定する」のほうは、モニターユニットとチューナーユニット間の通信に関する設定で、機器のIDやパスワードを入力する。これは、初回に設定してしまえば、その後は使う必要はない。

起動時メニュー

起動メニューで「テレビを見る」を選択すると、しばらく待たされる。最近は、デジタルチューナーのみを搭載しているテレビでも、そこそこ高速化が進んできている。WIRELESS ZABADYは、それらに比べると、少々待ち時間が長いという印象を受けた。その後は、普通にテレビ番組を視聴することができる。

今回の貸し出し機は、チャンネル設定がそのままで使用できたが、地域によっては、この設定をやり直す必要もあるだろう。「設定」ボタンを押して、「チャンネル設定」→「チャンネルスキャン」という流れだ。

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