今やオンラインストレージはローカルストレージに続く第二の保存領域である。そもそもオンラインストレージとは、インターネット上に設置したサーバーの保存領域をユーザーに貸し出すサービス。新しいビジネスとして数年前から注目を集めていた。先頃はネットサービスの巨人であるGoogleも同分野に進出し、各社がしのぎを競い始めているのが現状だ。

各オンラインストレージサービスは使用できる容量やサービス内容も千差万別だが、ここで注目すべきは"個人が無料で使用"できる容量だ。例えば前述のGoogle Driveは5Gバイト、Microsoftが運用するWindows SkyDrive(以下、SkyDrive)は7Gバイトまで無償使用可能(以前からのユーザーは25Gバイト)。Dropboxは2Gバイトと少ないものの、他人を招待するなどのイベントをクリアすることでストレージ容量を増加するサービスを展開中。最大で16Gバイトまで拡張可能だ。

このように使用できる容量はおおむね十数Gバイトまで拡大されているが、まだまだドキュメントファイルやユーザーデータの待避・共有場所として活用するにとどまっている。そこで一考したいのが、バックアップ先としての活用方法。Windows 7の場合、単純にWindowsフォルダーだけでも10~30Gバイトにふくれあがるため、システムドライブなどHDD(ハードディスクドライブ)のバックアップ先としては容量不足。

では、ドキュメントフォルダーなどに代表されるユーザーフォルダーならどうだろうか。以前からWindowsはドキュメントフォルダー(名称はOSのバージョンによって異なる)にユーザーデータを保存することを推奨している。また、他社製アプリケーションで作成したデータや、PCゲームのセーブデータなども同フォルダーに保存されているはずだ。

そこで今回はバックアップツールとして「HD革命/BackUp Ver.12」を使用し、オンラインストレージサービスはWindowsと親和性の高いSkyDriveを利用して、ドキュメントフォルダーのオンラインストレージバックアップ設定を模索してみる(図01)。

図01 Windowsのバックアップ/復元機能が盛りだくさんの「HD革命/BackUp Ver.12」。実装機能に応じて異なる三つのエディションが用意されている。画像は同Standard版と同Professional版

SkyDriveの準備を行う

SkyDriveを使用するには、Microsoftが運営するシングルサインオンサービスであるWindows Live IDを取得しなければならない。Windows 8リリース時はMicrosoftアカウントに名称変更されるようだが、ここではWindows Live IDという呼称を使って説明を続けることにする。まずは、Windows Live IDの公式サイトにアクセスし、必要な情報を入力するといった操作を行う。

Windows Live IDとして現在使用中の電子メールアドレスを用いることも可能だが、せっかくだから同社が運営する電子メールサービス「Windows Live Hotmail(以下、Hotmail)」のアカウントを取得した方がいいだろう。特に注意すべき点は見当たらないが、新たに電子メールアドレスを作成する場合、好みのアカウントが作成できない可能性がある。その際は一部の文字列を変更するなどして、好みのアカウントを取得しよう(図02~05)。

図02 Windows Live IDの公式サイトにアクセスし、左側にある「新規登録」をクリック

図03 最初に自身の電子メールアドレスを使用するか、新規作成するか選択をうながされる。ここでは<いいえ~>をクリックして選択してから<続行>ボタンをクリック

図04 「メールアドレス」のテキストボックスに任意の文字列を入力し、<有効なアドレスか確認>ボタンをクリック。画面のように赤いメッセージが表示された場合、その文字列は使用できない

図05 画面のように緑色のメッセージが表示されれば、その名前は使用可能である

あとはパスワードや個人情報を入力していけば、Hotmailの電子メールアドレスが発行され、その電子メールアドレスとWindows Live IDが関連付けされる。あとはページ上部にあるナビゲーションメニューから「SkyDrive」をクリックすれば、同サービスのページに切り替わり、SkyDriveが使用可能になる(図06~11)。

図06 六文字以上のパスワードを二カ所に入力し、パスワード再設定用の質問をドロップダウンリストから選択。解答を次のテキストボックスに入力する

図07 個人情報の入力を求められるので、各テキストボックスやフォームに正しい内容を入力する。またタイムゾーンもドロップダウンから選択しておこう

図08 キャプチャに表示されている英文を入力する。読み取りない場合は<新規>をクリックして更新させるとよい。正しく入力できたら<同意する>ボタンをクリック

図09 これでMSN Hotmailのサインアップは完了したが<続行>ボタンをクリック

図10 ページがWindows Liveのアカウントサービスに切り替わる。Windows Live IDを示すアイコンが「サインアウト」と表示され、同IDによるサインインが完了していることが確認できる。そのままページ上部にある<SkyDrive>をクリック

図11 これでSkyDriveが使用可能になった。続いてSkyDrive for Windowsの導入に取りかかろう。ページ左側にある<SkyDriveアプリの入手>をクリック