マンガ部門の大賞を受賞した岩岡ヒサエは、感激で声を詰まらせながら感謝の言葉を述べた。

第15回文化庁メディア芸術祭の贈呈式が、去る2月21日に六本木・東京ミッドタウンにて開催された。

今年度のマンガ部門大賞作品は、岩岡ヒサエが月刊IKKI(小学館)にて連載していた「土星マンション」。続く優秀賞には、清水玲子「秘密―トップ・シークレット―」、しりあがり寿「あの日からのマンガ」、パコロカ「皺」、アリソン・ベクダル「ファン・ホーム ある家族の悲喜劇」が選ばれた。また新人賞には、西村ツチカ「なかよし団の冒険」、昌原光一「まげもん。」、冬川智子「マスタード・チョコレート」の3作品が輝いている。

大賞を受賞した岩岡は「身内も家族もそうですが、読者さんや出版関係者の方など、我が事のように喜んでくれる方が多くいまして、それがすごく嬉しかったです」と、感無量の面持ちでコメント。第一報を自宅で受けたという岩岡は、その瞬間を振り返り「お風呂に入ろうとしていたときで、パンツだけだったんですよ(笑)。あられもない格好で電話に出て……」と苦笑した。

報せを聞いた直後は歓喜したが、その後思うところがあったようで「震災があり、自分の作品がちょっと似ているところがあったりして、受賞を重く受け止めていました。でも震災の影響は誰しも受けていると思いましたので、だんだんと、やはりありがたくいただこうと思いました」と心境の変化を語った。最後に同作を応援してきたファンに向けて「熱く感想をくださる方など、よく応援してくださってる方がみんな喜んでくれたので、本当にそれが嬉しいです」と感謝の意を。これを機に作品を知った人たちには「まったりほのぼのと見せておいて、ちらちら何かしら大きな展開もあるので、最後までお付き合いいただけたらなと思います」とメッセージを送った。

第15回文化庁メディア芸術祭の受賞作品展は、2月22日から3月4日まで東京・六本木の国立新美術館で開催。受賞作品・審査委員会推薦作品の全巻が鑑賞できるライブラリーの設置や、受賞作家を交えた読書会などさまざまなイベントも催される。気になる人は特設サイトでスケジュールを確認しよう。