パナソニックは11日、デジタルハイビジョンカメラ「HC-V700M」「HC-V600M」を発表した。発売は2月1日で、価格はオープン。推定市場価格はHC-V700Mが11万円前後、HC-V700Mが9万円前後となっている。

裏面照射と通常タイプのセンサーの両方のメリットを持つ「微細セル&高感度MOSセンサー」を採用したデジタルハイビジョンカメラ。左が「HC-V700M」で右が「HC-V600M」。「HC-V700M」は写真のブラックのほかに、シルバーも用意されている

HC-V700MとHC-V600Mの最大の特徴は、新開発の「微細セル&高感度MOSセンサー」を搭載する点。このところ、デジタルビデオカメラやデジタルカメラでは、裏面照射型のセンサーがよく使用されている。裏面照射型は、受光部、つまりフォトダイオードを手前に、配線層を内側に配置することで開口部を広げ、暗所でのノイズの発生を抑えられるというメリットがある方式だ。しかし配線層は、フォトダイオードからの信号を伝送するだけではなく、RGB各色を分離するセパレーターの役割も持っている。そのため、フォトダイオードに光がダイレクトに届く裏面照射タイプのセンサーでは、混色といった問題が起こりやすい。

今回の微細セル&高感度MOSセンサーは、一般的なセンサーと同様に配線層を手前に配列する配置となっているが、配線層を短く小型にすることで、フォトダイオードの受光面積を確保。裏面照射タイプのセンサーに引けを取らない暗所での低ノイズ性能を実現すると同時に、混色の問題も解決している。同社によると、このセンサーはビデオカメラを手がける事業部と、半導体を手がける事業部がお互いに情報をフィードバックすることで完成したデバイスであり、製品と半導体の両方を内製化しているからこそ実現できたデバイスとのことだ。センサーのサイズは1/2.33型で、有効画素数は動画撮影時が355万~258万画素で、静止画撮影時は355万~258万だ。画像処理エンジンには「クリスタルエンジン・プロ」を採用している。

レンズの明るさはF1.8~F3.5で、広角側28mm~望遠側717.4mm(動画撮影時)の光学26倍ズームだ。動画撮影時のセンサーの有効画素数が、望遠側だと従来は197万画素だったものが、258万画素に増えたことで、光学ズームの全域でHD画質を実現している。また、超解像度技術を使用した「iAズーム」も搭載しており、最大46倍までのHD画質での撮影が可能だ。手ブレ補正は「5軸ハイブリッド」方式で、上下左右のブレ、水平垂直方向の回転に加えて、歩行時の回転軸方向の補正も行われる。3MOSモデルのHC-X900Mと同様に、別売のコンバージョンレンズ「VW-CLT2」による3D撮影にも対応するが、3Dモードの場合、手ブレ補正は「パワーO.I.S.」機能となる。

モニターは46万ドットの3型液晶で、記録メディアはSD/SDHC/SDXCカードを利用可能なほか、HC-V700Mは64GB、HC-V600Mは32GBの内蔵メモリを備える。本体サイズは共通で、W55×D121×H69mm。重量はHC-V700Mが本体のみで約272g、バッテリー・カード込みで約314g、HC-V600Mが本体のみで約271g、バッテリー・カード込みで約313gとなっている。

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