カメラの第一印象

開封し、外観を見ての第一印象は、まず従来機(EXILIM EX-ZR10)との共通部分が多いためか、高級感を欠くのではないかと感じました。ただ、今回のモニターはホワイトモデルということで、白いカメラが新鮮に感じ、レンズ付近と背面部の黒色が良いコントラストで気に入っております。レンズ周りには細くゴールドの色使いがなされており、良いアクセントになっていると感じました。

軽く使用しての印象は、まず今までに使用したどのデジカメよりも、起動が速い、撮影間隔が短いという2点です。この2点が、現時点では他社の追随を許さないほど強力ではないかと思い、前述のデザインに関するマイナス点を完全に払拭しています。あらゆる状況で高速なレスポンスなため、撮影が楽しくなり、1日の撮影枚数が多くなります。

夜間の手持ち撮影。割と明るめな屋外ですが、ISO感度「800」になりました。ノイズも確認できますが、帆船のロープもよく描写されていると感じます。手持ちでこの描写なので、私的には非常に満足しております

夜間の手持ち撮影「HDRアート」。色彩の豊かな被写体だと、HDRの効果が出やすいと感じました

「背景ぼかし」で撮影。背景ぼかしは、夜間の撮影でも十分使えました。個人的にはあまり使わない機能ですが、おもしろいと思います

良かった点や気に入った点など

良い点の真っ先に上げられるのが、すべての動作において超高速であるということだと思います。起動と撮影間隔の高速さに関しては、一眼レフを含めたすべてのデジカメよりも優れているのでは?と感じます。モニター期間中に多くの写真を撮らせていただいたのですが、EXILIM EX-ZR15のオートやプレミアムオートの画質がシャープで発色の良い、とても綺麗な画質であったことが非常に良いと思いました。

プレミアムオートも、使用者の好みに応じて効果を3段階で設定できるため(編集部注:人物の顔を美しく撮影する「メイクアップ」機能の強度)、とても良い機能であると感じました(HDRアートに関しても3段階の調整が可能)。「裏面照射型CMOSセンサー」を使用しているためかとも思いますが、夜間の屋内、蛍光灯下での撮影でもフラッシュ未使用できれいに撮影できました。HS連射モードで、屋内にて縄跳びの二重跳びを撮影したところ、縄の動きまでも完璧にとらえており、関心いたしました。

ISO感度「800」で撮影

夜間、三脚使用でオート撮影。ISO感度を下げて撮影すると、綺麗な夜景を撮影できます。このコンパクトなカメラでこの描写には大変満足しております

気に入った点のもう1つは、大きさと丸みを帯びた形状です。携帯性が非常に良いサイズであると感じました。

カメラの撮影機能とは関係ないのですが、ストラップ取り付け部が左右にあり首かけも可能なのは便利です。また、「AUTOボタン」が独立した部分にあり、必要に応じて即座に押せる位置にあることも便利に感じます。EXILIM EX-ZR100のようなダイヤル式よりも早く正確にオート撮影が可能なため、失敗の少ない写真を撮るには有用であると感じます。

嫌だなと思った点や性能面での改善を望む点

本体のデザインなのですが、従来機のEXILIM EX-ZR10などと変わらないため、所有欲を満たすには若干不十分であるような気がします。他社製品と比べて勝っている部分が非常に多く、デジカメ市場において抜群の性能を持つ機体であるため、残念な感があります。

HDRやHDRアートに関しては、通常状態での画像も保存するという設定を追加してほしいと感じます。特に、HDRアートはオリジナル画像からの変化が顕著なため、使う人の多くが、通常撮影も行うであろうと思います。

やや曇天、午前中の撮影。船のアンテナやワイヤー類の描写が見事だと思います。個人的に、カシオのくっきり、はっきりとした絵作りが好きなので、シャッターひとつでこの描写は、大変気に入っております

総合的な感想

コンパクトタイプのデジカメにも関わらず、これだけの高性能と高機能を搭載してあることだけでも、非常に優れた機種であると感じました。HDRアートに関しても、今までは普通に感じていた風景も、シャッターを押すだけで高水準な"アート"となって、写真に変化を与えてくれます。

また、高速なシャッター間隔によってシャッターチャンスを逃すことなく、良い写真がたくさん撮れます。デジタル技術の進歩を感じることができました(カシオの企業努力ですね)。

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