環境省は28日、千葉県柏市の市有地で発見された高放射線量箇所において、土壌中の放射性セシウムの濃度などの測定を行った結果についての中間報告を公表した。これによると、調査地点には、東京電力福島第一原発の事故によって放出された放射性セシウムが雨水の流出経路の土壌に蓄積した可能性が高いという情報の確度が高まったとしている。

環境省では、10月21日に千葉県柏市で発見された放射線量が周辺より高い場所において、その原因の推定、土壌の汚染範囲の推定および汚染土量の推定を行うことを目的に、11月1日および2日に現地調査を実施した。

現地調査では、(1)高線量箇所における土壌中の放射性物質などの分布および土質調査、(2)高線量箇所の下流に位置する河川(大堀川)における底質などの調査、などを実施した。

環境省では、調査結果について詳細な原因を推定。これによると、高線量箇所の土壌の粒度組成分析および目視観察の結果、この場所の土壌は周辺と同一な土質であり、他の地域から持ち込まれたものである可能性は低いと考えられるとしている。

また、半減期が約2年のセシウム134が確認され、かつその量と、半減期が約30年のセシウム137の量の比が、東京電力福島原子力発電所の事故に伴い放射性物質で汚染された他の地域と同程度(約0.8)であったことから、この箇所の土壌には、原発事故由来の放射性物質が蓄積している可能性が高いと考えられるとしている。

さらに、この箇所への現場の雨水の流入経路などをもとに判断すると、原発事故由来の放射性セシウムを含んだ雨水が側溝側面の破損部分から浸透し、この箇所で放射性セシウムが土壌に蓄積した可能性が高いとしている。なお、この地点には、上流域から相当量の雨水が流入していたと考えられ、このことが、高濃度の放射性セシウムがこの箇所に蓄積した原因の一つと考えられるという。