米Appleは8月24日(現地時間)、同社CEOのSteve Jobs氏が同職を退任することを同社関係者に宛てた手紙という形で明らかにした。後任CEOには現COOのTim Cook氏が就任する。Jobs氏は2011年1月から病気治療でCEOとしての主業務を外れた状態にあったが、今回改めてCEOからの退任を発表した形となる。今後の去就については、同社ボードメンバー会長兼ディレクター、そして従業員の1人として同社に留まることになるという。

米AppleのCEO職を退任することになったJobs氏。写真は2011年6月のWWDC基調講演に登場した際のもの

この件については「To the Apple Board of Directors and the Apple Community:」と題したJobs氏からの手紙の中で報告されている。この全文は米Appleのサイトで確認できる。また、この報告を追いかける形でAppleから正式な声明も出されている。

米Genentech会長でAppleのボードディレクターでもあるArt Levinson氏はこの声明の中で「Steveの卓越したビジョンとリーダーシップがAppleを救い、同社をいまある世界で最も革新的で価値のある技術企業へと導いた。Steveは数えられない貢献の数々でAppleを成功へと導き、同社の非常にクリエイティブな従業員や世界クラスの経営チームを惹きつけ、奮起させてきた。ボードメンバー議長としての新しい役割の中で、Steveは自身のユニークな洞察力や創造性、ひらめきをもって引き続きAppleに貢献してくれることだろう。AppleのボードメンバーはTimが次期CEOとして適切な人物であると確信しており、TimがAppleに在籍した13年間は、非常に優れた成果によって彩られていた」と締めている。

Tim Cook氏はAppleのワールドワイドセールス担当して長年手腕を発揮しており、特にAppleの業界でもトップクラスのサプライチェーン構築は彼の手腕によるところが大きい。近年では特にJobs氏不在時の全社的なオペレーションをCOOとして担当しており、最もCEOに近い人物だったといえる。Appleによれば、今回の人事は同日より発動され、Cook氏はCEO就任と同時にボードメンバーへと参画することになる。