映画『軽蔑』の完成披露試写会が22日、東京・早稲田大学の大隈講堂で行われ、高良健吾、鈴木杏、廣木隆一監督と原作者・中上健次の長女で作家の中上紀が舞台あいさつに立った。

映画『軽蔑』の完成披露試写会に出席した鈴木杏(左)と高良健吾 拡大画像を見る

背中の開いた黒のドレス姿で登壇した鈴木は、冒頭のあいさつで「役者の鈴木杏にとっても人間の鈴木杏にとっても、この作品に携われたことは凄く大きく、今でも胸が一杯になっていまいます」と感極まって大粒の涙。何度も涙を拭きながら「完成した映画を見て、愛すべき作品だと思いました。たくさんの方に愛してもらえたらと思います」とアピールした。

廣木隆一監督とは本作で初顔合わせとなった鈴木。激しいポールダンスとベッドシーンについて「大変だという覚悟はありました。実際に撮影に入り、ダンスがちゃんと出来ずに全身アザだらけ。高良くんと精神的に追い詰められ、こんなに厳しい経験は今までありませんでした。でもそれは凄く幸せだと思いましたし、強くなれた気がします」と万感の思いを語った。

また、「役者に対する愛情があるから現場は厳しかったです。『何言ってるかわからない』と言われて、超怖かった」と監督の厳しい演出について明かし、高良も「『そんなんじゃ(カメラを)回せない』って言ってましたね」と鈴木に同調していた。

中上健次が1992年に発表した同名小説を『余命1ヶ月の花嫁』などの廣木隆一監督が映画化した本作は、欲望のままに生きるカズ(高良健吾)と歌舞伎町でダンサーとして生きる真知子(鈴木杏)の純愛物語。ダンサー役として出演した鈴木が、劇中で初のヌード姿と大胆な濡れ場を披露している。

映画『軽蔑』は、6月4日より角川シネマ有楽町、角川シネマ新宿ほかで全国公開。