チリも積もれば大きな節電。みんなの小さな節電ワザが、大きな効果に!

このたびの福島第一原発の事故の影響で、東京電力の管轄地域は、深刻な電力不足に陥っています。これまで、ほとんど停電を体験したことのない人にとっては、計画停電を乗り切るのもひと苦労。さらに、電力需要が電力供給を大幅に上回る場合には、突然の大規模停電の可能性もあるとのことで、毎日がヒヤヒヤものです。私たちの生活が、電気なくしてはあり得ないことをあらためて痛感します。

この事態を乗り切るには、電力の需要量が供給量を超えないようにするしかありません。日ごろの節電ワザを今こそ、実行すべきとき言えます。電気をチマチマ節約するのは、ストレスばかりがたまり、電気代は大して浮かないからやる気が出ない……と、のん気なことを言っている場合ではありません。一人ひとりの地道な節電が、この危機的状況を救うのです。さらに、突然の大規模停電を回避するために実行した節電で、結果、電気代も節約できれば、こんないいことはありません。

家庭で消費電力量が大きいのは、冷蔵庫、エアコン、照明、テレビの4つ

まずは、冷蔵庫。冷蔵庫は開け閉めするたびに電力を消費します。開けっ放しの時間が長いほど、消費する電力も多くなり、一般に3秒以内なら庫内の温度はほとんど上がりませんが、5秒で1℃、10秒で3℃上昇します。開閉回数と開閉時間を減らすことが、一番の節電。次のようなワザで、冷蔵庫を開ける回数と時間を最少限にしましょう。

  • 庫内の整理をして、どこに何が置いてあるかを把握する。
  • よく使う物は取り出しやすい手前に置くなど、入れ方の工夫をする。
  • 冷蔵庫を開ける前に取り出す物を決め、1回にまとめて取り出ようにする。
  • ドアを大きく開けず、できるだけ開ける幅を狭くする。
  • バター、ジャム、ヨーグルトのパン食セット、梅干、佃煮、漬け物のご飯セットなど、一緒に使うものはカゴにひとまとめにしておく。

この他、冷蔵庫の消費電力量を抑えるワザを紹介します。

  1. 冷蔵室はギュウギュウに詰め込むと冷気の流れが悪くなるので、詰め込みすぎない。7~8割程度入っているのが適正。調味料類、乾物など常温で保存できる物は冷蔵庫に入れない。ビールはその日飲む分だけを冷やす。一方、冷凍室は隙間なく入っていた方が、冷却効果が高まるのでピッチリ詰め込む。
  2. 肉や魚のパックに使用されている発泡スチロールのトレーは、保温性や保冷性に優れているが、その分、冷えにくいので別の容器に移し替えるか、トレーをはずしてラップで包むだけにする。
  3. カレーや煮物、みそ汁の残りを鍋ごと入れる場合は、冷ましてから入れる。
  4. 旧式の冷蔵庫は、冷蔵庫の背面に放熱器が露出している場合があり、この放熱器にホコリがたまっていると、熱の交換が悪くなるので、掃除気でホコリを吸い取る。

エアコンは設定温度を1℃変えるだけで、約10%の節電効果あり!

エアコンの設定温度は、冬場は20℃、夏場は外気温マイナス5~6℃程度が適正。また、過ごしやすくなるこれからの季節は、しばらくエアコンなしで過ごしましょう。長期間、使わないときは、待機電力を消費しないようにコンセントを抜くのをお忘れなく。

この他、エアコンの節電ワザを紹介します。

  1. エアコンをつけっぱなしにせず、室内が過ごしやすい温度になったら、いったん切る。最近の住宅は機密性や保温性がいいので、いったん温まったり、冷えたりした室温がしばらく維持できる。
  2. エアコンの消費電力量は大きいので、エアコン以外で室内を温めたり、冷やしたりする方法を考える。冬場はコタツ、夏場は扇風機で過ごす工夫も。寒ければ服を着る、暑ければ脱ぐと衣服で調節することも、いまさらながら大事。
  3. フィルターを掃除する。2週間に1回は掃除機でホコリを吸い取る。フィルターを3カ月掃除しないと、消費電力が5%増えるというデータも。

照明は、思い切ってLED電球に変えてみる

消費電力を比べると、白熱電球>電球型蛍光灯>LED電球となります。電球型蛍光灯の消費電力は白熱電球の5分の1、LED電球の消費電力は電球型蛍光灯の3~4分の1。LED電球は、は単価は高いですが、節電と耐久性を考えて、思い切って買い替えてもいいかもしれません。

テレビの電力ムダ使いは、なんと言ってもつけっぱなし!

帰宅すると、とりあえずテレビをつける習慣がある人は要注意。自分がテレビの前にいないときは、スイッチを入れないようにしましょう。また、テレビ画面が明るいほど、諸費電力も大きくなるので、必要以上に画面を明るくするのはNG。画面にホコリがついていると暗くなるので、こまめにお掃除を。音量も大きいほど消費電力が大きくなるので、調整しましょう。一人で見るときは、イヤホンやヘッドホンを使うのも手です。テレビを見る時間を1日1時間減らして、読書の時間にしてもいいかもしれません。

まだまだある! チリ積も節電ワザ

冷蔵庫、エアコン、照明、テレビ以外にも、節電になるワザがあります。

  1. 電子レンジ、炊飯器、ドライヤー、アイロンなど熱を発する電気器具は、消費電力が大きいので、使用時間を短縮する。炊飯器は炊けたら、すぐに食べられるように、スイッチを入れる時間を考える。また、使用していないときはコンセントを抜く。
  2. 掃除機は部屋を片づけてからかける。
  3. ゲームは使用後、主電源をOFFにする。
  4. 寝る前にパソコンの電源をOFFにして、コンセントを抜く。
  5. 保温便座のフタをする。これからの季節は、保温便座はOFFにする。
  6. 家族が同じ部屋で過ごすと、照明や冷暖房の節電になる。

あなたも、ぜひ、できることから節電大作戦に参加してください。