米Intelは10月19日(現地時間)、米国内の施設における将来世代の製造技術開発に向けて60~80億ドル規模の投資を行う計画を発表した。これは来年2011年に量産体制に入る22nm製造プロセス技術の開発が含まれ、同社の主要研究開発拠点である米オレゴン州の新しいFabである"D1X"建設のほか、アリゾナ州を含む複数の製造拠点への22nm製造プロセス展開のための原資となる。

現在Intelでは米国内限定でいえば、オレゴン州ヒルズボロに「D1C」「D1D」という2つの研究開発拠点兼Fab、アリゾナ州チャンドラーに「Fab 12」「Fab 32」という2つのFabを持っている。同社は最新プロセスでの製造をまずオレゴンのFabで開始し、次にアリゾナ、海外拠点という順番で展開し、プロセッサの需要増に対応している。今回の発表では、これら4つのFabに対する追加投資で最新の22nm製造プロセス技術展開を目指している。さらに同社では2013年以降の稼働に向けて最新の研究開発拠点として「D1X」の準備を進めている。完成予想図を参考にすれば、D1XはD1CとD1Dの隣接地に建設され、これら既存Fabもそのまま継続利用される形になるとみられる。

D1Xの完成予想図。イメージ写真中央部あたりの建物が「D1C」と「D1D」

なおIntelによれば、これらFabの建設や技術移転で6000~8000人の建設関連の雇用が生まれ、新設備で800~1000人規模のハイテク労働者需要が増加するという。また既存設備がそのまま維持されるため、引き続きFab関連での雇用も継続されるという。