マネックス証券はこのほど、資産設計アドバイスツール「MONEX VISION β」のメディア向け説明会を開催した。

MONEX VISION βは、資産設計という考え方に基づき、マネックス証券の口座開設者を対象に提供されるオリジナルの資産設計アドバイスツール。平均分散モデルやブラック・リッターマンモデルなど最先端の金融モデルを採用する。国内株式、ETF、投資信託、債券といった保有資産を11の資産クラスに分類し、現在の状況を分析できる。また、マネックス証券以外の外部資産を手入力することも可能だ。なお、保有資産に信用取引やFXは含まれない。

保有資産を資産クラスに分類し現在の状況を分析

資産クラスは国内株式、国内債券、コモディティなど11種類

さらに、3種類の目標ポートフォリオを選択し、その目標に近づくにはどういった商品や資産クラスを購入すればいいかアドバイスし、改善の度合いも提供する。目標ポートフォリオはリスクベースに考えられており、安定型だと年率9%程度、バランス型は14%程度、積極型は19%程度のリスクとなっている。また、楽しみながらツールの特性を理解してもらえるように、軽快な操作性が特徴のユーザーインタフェースを採用している。

3種類の目標ポートフォリオから選択

目標達成のためのポートフォリオ分析や追加購入アドバイスなど提供する

マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長の内藤忍氏は、開発の経緯について「マネックス証券は長期分散投資に設立当初から力を入れており、それがベースとなって、今回のツール開発に至った」と説明。同ツールについては「顧客が保有する資産のアセットアロケーションについての分析を行う。リスクとリターンの状況だけでなく、どのような資産配分にすればポートフォリオが改善するかというアドバイスも行う」と話した。

同ツールの開発に際しては、今年に入って2回にわたりベータ版を提供。顧客ニーズを把握するべく、1月には投資信託中心の「ベータ1」をモニター100名に、2カ月後には株式や債券など商品を拡充した「ベータ2」をモニター1,000名に使用してもらい、あわせてユーザー調査やアンケートを実施した。また、個人投資家の購買行動にも着目。ボーナスや月々の投資で買い増す際に、いかに目標に近づけるかをサポートするツールとして位置づけた。

1日に「ベータ3」を提供開始し、9日時点で利用者数が延べ1万1,000名に達した。開発担当を務めた飯田敦氏は「長期分散投資という考え方ですが、理論自体はシンプルで分かりやすいものの、一般のお客様には難しいのではないかと感じていた。オンライン証券としてどういう形で提供すべきかは難しいところだったが、実際に提供してみるとお客様の長期分散投資についてリテラシーの高さが窺える結果となった」と話していた。今後はユーザーからのニーズを反映させながら、バージョンアップを図っていきたいとしている。

マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長の内藤忍氏

MONEX VISION βの開発担当を務めた飯田敦氏