内閣府は8日、9月の景気ウォッチャー調査の結果を発表した。3カ月前と比較した景気の現状に対する8月の判断DIは、前月比3.9ポイント低下の41.2となり、2カ月連続で低下した。エコカー補助金の終了による新車受注の大幅減や、円高による輸出環境の悪化が影響し、マインドが冷え込んだ。内閣府は判断を前月の「引き続き厳しい中で、持ち直しの動きがこのところ緩やかになっている」から「これまで緩やかに持ち直してきたが、このところ弱い動きがみられる」に下方修正した。2カ月連続の下方修正となる。

家計動向DIは、前月比で5.4ポイント低下し39.5。なかでも「小売り関連」(39.6)は前月から7.1ポイントも低下。残暑で飲料やエアコン等の販売が好調。値上げ前のたばこの駆け込み需要もあったが、「エコカー購入補助金終了後の販売量の動きは前年比50%減で推移している」(中国/乗用車販売店)、「厳しい残暑の影響で、秋物衣料が大苦戦している」(東北/百貨店)など、エコカーの駆け込み需要の反動や、残暑による秋物衣料の動きの遅れなどが大きく影響した。「飲食関連」は同5.3ポイント低下の31.5、「サービス関連は」同3.4ポイント低下の41.2だった。一方「住宅関連」は同1.3ポイント上昇の40.5だった。

企業関連は1.3ポイントの低下。製造業・非製造業別にみると、非製造業(41.3)が前月比で1.1ポイント上昇したのに対し、製造業は40.9で4.5ポイント低下した。「3カ月前と比べ1割程度ダウンしている。10月の受注はエコカー補助金の終了と円高の影響で、今月と比較してかなり落ち始めてきている」(北関東/電気機械器具製造業)といった厳しい見方が多かった。

雇用関連DIは0.1ポイント上昇し51.4。正規職員の採用を中心に企業の慎重な態度が続いているものの、半導体・電子部品関連等の製造業で求人の動きが見られることなどから上昇した。

一方、2~3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは前月比で1.4ポイント上昇の41.4となり、5カ月ぶりに改善した。エコカー補助金の終了や円高が景気に与える影響を懸念する声はあるものの、厳しい残暑が収まったことや、家電エコポイント対象商品限定による年末の駆け込み需要に対する期待から上昇。家計関連が1.7ポイント上昇の41.3、企業関連が0.8ポイント上昇の39.9、雇用関連が0.6ポイント上昇の45.1となっている。