毎日コミュニケーションズは27日、電子出版ビジネスの総合情報誌『eBookジャーナル』を創刊すると発表した。11月中旬に発刊、以後隔月で刊行する。媒体形式は紙版と電子版の同時刊行。価格は紙版が2,100円、電子版が1,260円。定期購読による販売も行う。

記者会見に臨んだ3者。写真は左から毎日コミュニケーションズの滝口直樹取締役、『eBookジャーナル』編集長を務める小木昌樹氏、富士山マガジンサービスの赤羽弘明取締役

『eBookジャーナル』は、電子出版にビジネスとして関わる企業・個人を対象にした総合情報誌。"電子出版ビジネスを成功に導く総合誌"をコンセプトに、出版社をはじめ制作・デザイン会社、広告代理店など電子出版物の作り手、売り手をメーン読者として想定する。このほか、リーダー端末メーカーや制作ツールメーカーなどのハードウェア/ソフトウェアメーカーなど電子出版に関わる企業等も読者に取り込んでいく。

内容は、技術的側面、販売的側面に関する情報が主な柱。技術的側面では、ハードウェアに関する情報、電子書籍フォーマットの動向などの情報を提供する。販売的側面では、販売プラットフォームに関する情報などをフォローする。このほか、著作権やDRM、印税などの権利・契約関係の情報、出版社各社の取組み事例なども盛り込んでいく。最新情報については、マイコミジャーナルとも連携していく方針。

販売形態は、紙版と電子版の2つ。紙版は全国書店やオンライン書店で販売。年間契約での定期購読販売も行う。また、2010年内に紙版の定期購読を申し込んだ場合、キャンペーンとして電子版を1年間無料で提供する。紙版の仕様はMOOK版、B5正寸サイズ、160ページ。

一方、電子版は、富士山マガジンサービスの運営する雑誌・定期購読専門サイト「fujisan.co.jp」で販売する(紙版も取扱い)。対応端末・環境はiPhone/ iPad、Windows、Mac OS。電子版では紙版と同一の内容として配信する予定。定期購読は年6冊で価格は5,040円(1冊当たり840円)。

『eBookジャーナル』では、複数のフォーマットで制作した電子版を配信するなどして実験的な配信も試みる。同誌編集長を務める小木昌樹氏は「本誌には、電子出版の実験誌としてのコンセプトも含んでいる。コストの面で実験的な作業が難しい企業にも役立つよう、本誌が積極的に実験を繰り返して、読者にフィードバックしていきたい」と述べた。