NHKは4日、東京・渋谷の同局で、2012年度の大河ドラマを『平清盛』に決定したと発表した。平清盛を主役にした大河ドラマは、仲代達矢の演じた『新・平家物語』(1972年)以来40年ぶりで、脚本は、『ちりとてちん』の藤本有紀が手がける。

演出を手掛ける柴田岳志チーフディレクター(右)は、「生身の人間の息づかいを感じられる躍動感やリアルさを描いていきたい。平清盛は平安時代版の"ゴッド ファーザー"。1年かけて、ぜひ、皆さんに見ていただきたい」と意気込みを語った

現在放送中の『龍馬伝』に続き、2011年度は上野樹里主演の『江~姫たちの戦国~』がすでに決定しているが、大河ドラマのスタートから50年目の節目となる2012年度は、『平家物語』に描かれたアンチヒーロー像ではなく、平安貴族による政治体制を壊し、武士の覇者として時代を切り開いた躍動感とエネルギーにあふれる平清盛を、現代に通じる変革と挑戦のヒーローとして描く。

会見に出席したチーフ・プロデューサーの磯智明氏は、平清盛が栄華を極めた晩年から始まる『平家物語』とは異なり、瀬戸内海の海賊を束ねた颯爽とした青年時代を中心に、平家一族を率いて栄華を誇るまでの生涯や、その死後の平家滅亡の物語も描く予定だと語り、オリジナリティあふれるドラマの構想を明らかにした。

また、メインキャラクターは50人に及ぶと壮大なスケールを説明し、キャスティングについては未定としながらも、「清盛は新たな時代に切り込んでいく人間なので、ナイーブな人間よりも力強くて時代に向き合っていけるようなキャラクター像の方にやってもらいたい」と力説。『天地人』の妻夫木聡や『龍馬伝』の福山雅治など、主役にはイケメン俳優が続いているが、「今回はイケメンとも言い切れない。混沌とした時代を描きたいので、芝居の力量を含めたキャスティングで、ここ数年の大河ドラマとは全然違う感じになると思う。(主役は)ドラマ全体の躍動感を考えると若い人でも良いのではないかと思うが、ある年齢からは最後まで一人で演じてもらいたいので、ある程度年齢に幅があって、入道姿から想像できないような意外性のあるキャスティングにしたい」と、気になる今後の展開について明かした。

大河ドラマ『平清盛』は、2011年8月から、平清盛が活躍した西日本・瀬戸内周辺を中心に撮影を始め、2012年1月から放送をスタートする。