Linux Foundationが7月26日に都内で開催したセミナー「MeeGo Seminar Summer 2010」。ジェネラルセッションとして行なわれた講演の第2部では、MeeGoの開発に携わっている3名によるパネルディスカッションが行なわれた。

パネラーの道勇氏、イブラヒム・ハダッド氏、マーク・スカープネス氏、モデレータの福安氏(左から)

パネルディスカッションには、Linux Foundationのイブラヒム・ハダッド氏、Nokiaの道勇浩司氏、Intelのマーク・スカープネス氏が登壇。モデレータは、Linux Foundationの福安徳晃氏が務めた。パネルディスカッションは、福安氏が「よく聞かれる」という質問を挙げ、パネラー3名がそれに答えるという形式で行なわれた。

まず、「MeeGoとは何か?」という質問に対し、Linux Foundationのハダッド氏は、オープンソースであることが一番の特長だと答えた。さらに、複数のハードウェアをサポートし、最適化されていること、コミュティが充実していることも特長だと説明した。同じ質問に対し、Intelのスカープネス氏は、Intelの「Mobilin」とNokiaの「Maemo」には、共通する技術が多くあり、両方の強みを組み合わせたのがMeeGoであると述べた。

MeeGoは、PCだけではなく携帯電話やテレビなど幅広い端末で利用できる

MeeGoを搭載したタブレット端末

次に「MeeGoはオープンソースなのか?」という質問に対し、ハダッド氏は「100%のオープンソースであり、コミュティへの参加は簡単で、誰でもすぐに開発に参加できる」とした。さらに、参加の際に規約などへの承諾の必要がない点を特長として挙げた。

また、「誰が開発に参加しているのか?」というコミュティに関する質問では、Nokiaの道勇氏が「どんな人や会社にも開かれている」と述べ、IntelやNokia以外の参加者も多いと説明した。さらに、ハダッド氏は、8,000人以上のコントリビューターがいて、7,000人近くがメーリングリストに参加していることを明かした。

「MeeGoの強み、特筆すべき点は何か? 」という質問では、スカープネス氏は「誰でも開発に貢献できること、中立のプラットフォームとして利用できること」だと述べた。また、道勇氏はカスタマイズ不要でそのまま使える点を挙げ、ハダッド氏はオープンなプラットフォームであり、自分の意見を自由に進言できる点を加えた。

パネルディスカッションで3名が強調したポイントの一つが、アップストリーム(上流)での開発が行なわれていること。開発成果がLinuxカーネルの基本部分に取り込まれることで、Linuxのモバイル分野での機能向上に貢献できるとした。そして、2010年2月に発表され、約半年が経過したMeeGoについて、スカープネス氏は「今後は急成長していくだろう」と述べた。