ScanSnapを使った紙媒体の電子化は非常に簡単。本体に原稿をセットしてボタンを押したら、あとはほぼノータッチでOK。自動的に原稿を読み取ってスキャン画像を最適化し、PDFなどのファイルにまとめてくれる。あっけないほど手軽にでき、しかもスキャン品質も高い。

ScanSnap S1300の外観。上蓋が電源スイッチを兼ねており、開けると自動的にスイッチが入る

ScanSnap S1300の背面は、電源コネクタとUSBポートのみのシンプルな構成

本体のスキャンボタンを押すだけで、原稿の読み取りがスタートする

ちなみに、今回使用したScanSnap S1300の場合、1分間にA4縦で最大8枚スキャンできる。8枚といっても両面同時に読み取るため、表裏に印刷されたものならば1分間に16ページスキャンできることになる。読み取り面積の小さな小型本などであれば、さらに短時間でスキャン可能だ。

実際にScanSnapを使い始めるまで不安だったのが「裏写り」や「紙詰まり」である。薄手の紙を利用した印刷物の場合、裏面に刷ってある文字が透けて見えることが多いが、ScanSnapは、スキャンして読み取った後で自動的に画像を補正しているようで、裏写りは最小限に抑えられている。

またScanSnap S1300では、名刺からA4までサイズの異なる原稿を自動検出する「サイズ自動検出機能」を利用でき、サイズ違いの紙資料が混在していても一括スキャンを行える。さらに、紙の長さを検知し重なって読み取られていることを認識するため、問題があった場合は自動的にスキャンがストップして、読み取り継続か中断かを選択する画面を表示してくれる点もありがたい。スキャンが終わった後で、「途中のページが抜けてる!」という事態をなくせるからだ。ちなみに、上位機種「ScanSnap S1500」であれば光学式センサーによる重送検知機能も組み合わせて動作するため、より高い精度で検知するようになっている。ScanSnap S1300からのステップアップ先として覚えておくと良いだろう。

ScanSnap S1300でもうひとつ驚かされたのは、原稿の色を自動判別してくれる点。たとえば、書類によっては数ページがカラーで、残りはモノクロまたは白黒というものもある。そうした場合でも、ScanSnapは自動でカラーモードを判別し、最適な画質で読み取ってくれる。グレースケールも判別できるため、新聞・雑誌などのモノクロ写真/図版も高画質で再現可能だ。

また、白紙ページがあった場合、それを自動で削除してくれるのも良い。もっとも、本によっては見開きでのレイアウトが重要なこともあるので、白紙ページを残しておきたいケースも少なくない。そうしたときは、もちろん白紙ページ削除をオフに設定することができる。

このほか、原稿が傾いていたり、天地が逆さまだったりした場合に自動で補正してくれる機能も搭載している。原稿の傾きは、パソコンならあまり気にならなくても、iPadで全画面表示させた場合は意外に気になるので、こうした気の利いた機能は非常にありがたい。