明和電機・土佐信道社長が5月30日、東京・西武渋谷店で現在開催中の『「明和電機ボイス計画宣言」展 ~機械は人間のように歌を歌うか?~』にて、トークショーを行った。

吉本興業所属の芸術ユニット・明和電機の"代表取締役社長"、土佐信道氏

"歌を歌う機械"の開発を目的に、"声"をモチーフとした作品を製作・発表している明和電機のプロジェクト「ボイス計画」。同展では、同プロジェクト作品である、歌うロボット『セーモンズ』や笑う機械『ワッハゴーゴー』、電子楽器オモチャ『オタマトーン』等の実機や開発スケッチ、ドローイングを展示している。"声"に対し「声を出すメカニズム・機能性、そして呪術性に魅力を感じています」という土佐社長。トークショーでは、展示作品で実演も交えつつ、作品の開発プロセスや面白エピソードを明かし、軽妙なトークで聴講客を楽しませた。

また、この日、『オタマトーン』の新バージョンとして、"ワッハゴーゴー"バージョンや"ビッグオタマトーン"などもお目見え。さらに、「オタマトーンとジャンベイという楽器が、合奏すると愛称がいいんじゃないかと昨日の夕方思いつきまして」という土佐社長は、ジャンベイとオタマトーンのセッションも実施。「ジャンベイ持ってなかったので、ツイッターで『誰か貸してくれませんか』と呟いたら、なんと貸してくれるという人の中に、(ギタリストの)渡辺香津美さんがいまして。夜中の11時に借りに行ってきました」と驚きのエピソードも披露した。

「ここが首を絞める装置なんですが、これを絞めていくと音程が変わります」と少々残酷な響きの解説をしつつ、『セーモンズ』を動かす土佐社長

土佐社長は、二重声帯と口の開閉による犬の吠え声の仕組みを説明し、そのメカニズムを簡易的に再現した"チワワ笛"で実演。「ワン! ワン!」という鳴き声に、会場からは「おお~! スゴイ!!」と驚きの声が

巨大なオタマトーンは「受注生産できれば、と思っています」とのこと。「バンドとかやってる人で、僕ちょっとインパクト薄いんで、という方とかにいかがでしょう。あと、クラブとかで、ボトルと並べて置いていただいたり」と製品をアピール(?)する土佐社長

ジャンベイの演奏を撮影し、その後、撮影した動画とオタマトーンの生演奏でセッション。ジャンベイのテンポも上がってテンション最高潮に――! というタイミングで動画が停止するというハプニングもあり、「なんだこりゃ」とガックリの土佐社長に会場は大爆笑だった

なお、明和電機は、電器屋スタイルで活動し、ナンセンスな機械作品を数多く展開している芸術ユニット。オモチャのようなマスプロダクトも作成し、プロモーション活動も行う「マスプロアート」が特徴で、最近では、貧乏ゆすりを測定する装置『YUREX』(完売)や、電子楽器オモチャ『オタマトーン』(2,940円)を製品化・販売している。