拡張現実技術「AR」を広めるべく活動中の異色のユニット・AR三兄弟が、映画『鉄男 THE BULLET MAN』とコラボレーションした「脳波ARお披露目イベント」が20日、塚本晋也監督、主演のエリック・ボシックを招いて開催された。

脳波ARのお披露目イベントに参加した(写真左から)エリック・ボシック、塚本晋也監督、AR三兄弟の"長男"川田十夢氏、"次男"高木伸二氏、"三男"小笠原雄氏

AR三兄弟が『鉄男』シリーズと塚本監督の大ファンであることから実現した今回のイベント。「ARのことはまだ知らなくて……」と話す監督に、三兄弟の"長男"は、「ARとは『Augmented Reality(拡張現実)』の略で、僕たちはこの技術を使ってユニークなことをしています。カメラ越しにのぞいた時、現実世界では何も起きていないのに、カメラの中では何かが起きているように見える--そんな風にすることも可能です」と説明した。

それでも半信半疑の塚本監督とエリックを前に、百聞は一見にしかずと言わんばかりに頭に被ったヘルメットをMacに近づける長男。するとスクリーンに映し出されたWebカメラの映像上で、突如としてヘルメットから白い光線が放たれた。「現実世界ではビームが出ていないのに、カメラ越しに見ると出ていますよね。これがARです」と話す長男に、監督もようやく理解し始めた様子だった。

ヘルメットを被った長男と次男の背後で、スクリーン上ではそれぞれのヘルメットから光線が。2人は即興のバトルを繰り広げた

「鉄男プロジェクト」のマーク入りの紙をWebカメラに近づけた途端、スクリーン上でマークが踊り出すという技術も披露

続いて、ARの技術をさらに進化させた「脳波AR」を実演することに。ヘッドセットを装着した者から脳波を拾い、解析の結果「集中している」と判断されると、スクリーン上に『鉄男 THE BULLET MAN』の映像が流されるという仕組みになっており、まず"三男"が、次にエリックが挑戦したものの失敗。3人目の"次男"がようやく成功させると、監督から「すごいですね!」と驚きの声が上がった。

「僕はこういうのに本当に詳しくないんですよ。USTREAMも昨日知ったばかりだし」と言う監督だが、イベントを通してARの技術にかなり興味を抱いた様子。「たとえばフィギュアが見られるといいですよね。箱を開けても何も入ってないけど、Webカメラで見るとすぐ近くにいるみたいな(笑)。しかもそれが女体のフィギュアで……」と妄想を膨らませる監督に、会場から大爆笑が起きていた。

「脳波AR」の実演で、長男は「『GAME OVER』の画面は(『鉄男』の)1作目へのオマージュです」とさりげなく監督にアピールした

イベント終了後、AR三兄弟の長男が監督にサインをねだり、『塚本晋也読本』に書かれたサインをうれしそうに披露していた

映画『鉄男 THE BULLET MAN』は5月22日より渋谷シネマライズほか全国ロードショー。なお、今回使用された「脳波AR」のセットは渋谷シネマライズに設置され、一般客も体験できることになっている。