前回は誰でも思い立ったらスグに始められる仕事や、楽しみながら働けるものなど、副業としてはハードルが低めのものを紹介した。後編では趣味や特技など多少の技術や専門性が必要なもの、資格を取得するなどして将来の起業・転職も視野に入れたものなど、ややレベルが高い副業を紹介してみよう。

趣味や特技を活かして稼ぐなら

必要なスキルや資格を持っていれば、より有利な副業をすることも可能になる。誰でも、というわけにはいかないだけにハードルはやや高いが、自分のキャリアやスキルの棚卸しをしてみると、自分に向いている副業が見つかるかも?

■学習塾講師・添削指導

学習塾講師、家庭教師、添削指導者といった教育関連は、夜間・休日に需要が多いため、副業として成立しやすい。生徒は小学生から高校生まで幅が広いので、対象を明確にして求職しないと予想外の負担に苦しむことも。塾講師は求人サイトや大手塾のサイト、添削指導者は通信教育会社のサイトなどで探すといい。家庭教師は派遣会社に登録するのが一般的だが、意外に近所のスーパーなどの伝言板ボードなども有効。

■ツアーコンダクター

旅行が好き、接客に自信があるという人の副業としてオススメなのが添乗員。日帰りや1泊2日の国内旅行添乗員なら、副業として働く可能。働くためには国内旅程管理主任者という資格が必要だが、添乗員派遣会社に登録後、研修を受講して取得することができるから未経験でも大丈夫。

■翻訳、通訳

外国語に自信があるなら、翻訳や通訳がオススメ。スキル次第では、かなり高給の副業収入を得ることができる。翻訳者の場合は学歴や資格は問われないが、ビジネス分野でのスキルを裏付けるなら唯一の国家認定試験である翻訳技能審査が有効。1~4級があり、1級は6年以上の実務経験が必要。通訳ガイドになるためには、国家資格の通訳案内士が必要。合格率は低く、英語の場合は例年5~6%。いずれも副業として仕事をするなら、派遣会社に登録するのが近道。

■スポーツ審判員

副業というよりも、ややボランティアに近い認識の方が正解かも? 競技規則に対する知識はもちろん、忍耐力、集中力、運動能力などが必要とされる。各競技ごとに資格試験があるので、詳細は各競技団体のHPで確認を。

たとえばサッカーの場合は、各都道府県サッカー協会が認定する3、4級、各地域サッカー協会が認定する2級、日本サッカー協会が認定する1級、女子1級がある。収入を重視するなら、フットサルのようにスポーツイベント会社などへ登録するだけで手軽にできるものも探すことをオススメ。

■習い事講師

それなりの時間をかけて技術を習得する必要があるため、一朝一夕にはなれないのが難点。趣味として続けてきたことや本業でスキルが身についている分野で、師範や講師などの資格を取得すれば、短期間に高給を稼げるようになる可能性あり。いずれも民間資格なので、取得する際は需要を見極めて。

将来の転職、起業を目指すなら

副業はいわば「お試し」。その経験を活かして将来は転職や起業を考えるなら、将来性のある仕事であることや、本業にするための資格取得などが必要になる。副業からの展開を考える人にオススメの仕事をピックアップしてみた。

■レンタルカフェのオーナー

将来、飲食店経営を目指す人にオススメの副業。自分でショップを開店するには多額の資金が必要だが、最近増えているレンタルカフェを利用すれば手軽に開店が可能。週に1日、月に2日など、自分のスケジュールに合わせて開店できるし、現実の厳しさを体験することもできる。レンタル代は場所や時間帯によって様々。雑貨店など物販での開業を目指す人は、レンタルボックスや委託販売を利用するといい。

■結婚式場スタッフ

週末や祝日に行われることが多い結婚式場でのアルバイトも、副業としてのターゲットのひとつ。派遣会社へ登録したり、求人サイトをチェックすれば見つけることができる。将来、ブライダル業界への転職を考えるなら、並行してブライダルプランナー資格の取得をするといい。最も知名度が高いのは、全米ブライダルコンサルタント協会認定のブライダルプランナー検定。1級はブライダルの基礎知識、2級は実務レベルの問題が出題される。資格取得の方法には、全日制の専門学校から試験対策講座まで時間や費用はさまざま。

■ペットシッター

最も需要が多いのは、犬の朝夕の散歩、しつけなどのサービスをする仕事。早朝や夜間でも可能だから、犬好きには向いている。ペットショップや動物病院などの募集では、特に資格を必要としないケースもあるが、将来は職業にすることを考えるならペットシッターも登録制になったため、愛犬飼育管理士、トリマーなど、動物取扱責任者としての知識や技術を習得していることを証明する11の資格のいずれかを取得しなくてはいけない。

■ベビーシッター

アルバイトなら未経験、資格なしでもOKな場合も多いが、保育士や幼稚園教諭の資格を持っていれば当然、かなり有利になる。ベビーシッターを本業にすることを考えるなら、保育士でなくても、せめて民間団体が行っている資格の取得をするといい。養成講座の受講で取得できるもの、実務経験が必要なものなど各種ある。ベビーシッターとしての公的資格はないため、子育て経験などキャリアを重視する傾向も。

■WEBデザイナー

HPの制作や運営などを案件ごとに請け負う形態ならば、副業として仕事をすることも可能。仕事情報サイトに登録したり、求人サイトをチェックすると見つけることができる。独立して仕事をしていくためには、デザインだけでなくプログラミングの技術も習得しておいた方がいい。初心者は養成学校へ行くのが一般的だが、多少知識がある場合は副業として仕事に関わりながら技術を磨くという方法も。

(文・鈴木弥生)