FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。米雇用統計を控えてややポジティブな見方に転換しやすい地合いの中、米失業保険申請件数が低下(43.9万件)。3月ISM指数も59.6(市場予想57.0)を上回りリスクテイクの思考となり、中国のPMIの数値を好感も加わり、株式市場は好感し、資源関連銘柄も堅調に推移。為替市場では、上値の抵抗線をしっかりと抜けたことで、ドル円も今年の高値93.77を超えて一時94円台に上昇した。

円に関しては、日銀短観の改善を好感するも、数値的にはマイナスであることから、出遅れ感の意味で売り対象となった。

  • 2130GMT 3月米雇用統計

  • [休日]オーストラリア、香港、インド、シンガポール、フランス、ドイツ、イギリス

  • 米債券市場…短縮取引

今日のイベントは、日本とアジアにおいてはマイナーな発表があるが、米雇用統計がメーンイベント。

これまで発表された雇用関連の数値はまちまちで、大幅な改善期待は若干後退したものの、非農業者部門雇用者数に対する平均予想は、2007年末以来の二桁のプラス予想になっている。

また、FRB当局者のコメントにおいては、依然慎重な意見が出ているものの、出口戦略に対する思惑とも相まって、市場ではポジティブな受け止め方をしている。アジア市場の堅調な推移に米資本市場が加われば、リスクテイクの地合いがさらに強まってくると思われる。

その意味では、不美人投票で比較的好感されてきた円は大転換を迫られやすいか。

テクニカル的に、今週の終値がしっかりと94円台に載っていけば、さらに円売りの地合いになりやすいかもしれない。

また、クロス円の代表であるユーロ円で見れば、去年のレンジ下限であった126.85/90が138.49からの下落で見た38.2%ポイントと合致し、昨日の時点ですでに超えてきている。

ギリシャや他のソブリンリスクに関連する新たなネガティブ要因が出てきた場合には、要注意だが、市場のユーロショートポジションがまだ残存していることを考慮すれば、下値は意外と限定的かもしれない。

EURJPYチャート

いずれにせよ、今晩の米雇用統計の内容が市場の予想範囲内であれば、ポジティブに転換しやすいと市場ではみている。

株式市場でも為替市場でも、不美人投票から美人投票に転換しやすい地合いにあると思われ、その意味では円の見劣り、日本の株式市場の出遅れ感は否めなくなってくるか。

ただ、一つだけ注意しておきたいのは、今日は欧州市場参加者は少ないと思われ、そのため流動性が低下していると思われる。やや値動きが荒っぽくなるため、リスク管理はしっかりと行いましょう。