FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。NYタイムに入ると、21:30に米新規失業保険申請件数、23:00に3月のISM製造業景況指数が発表される。両指数とも前回を上回る予想値となっており、市場予想通りか、それ以上となれば、昨日ADP雇用指数の弱い内容により下落した買い戻しが株式で活発化する可能性が出てくる。

特に後者のISM製造業景況指数は、昨年8月以来、景気の拡大と後退の分かれ目となる50.00ポイントを引き続き上回る内容となっている。背景には米製造業での急速な改善が挙げられ、このことは雇用情勢改善への期待感にもつながっており、明日の米雇用統計前に最も相場を動かす要因になる可能性がある。

ISM指数と製造業絡みで個別要因を見ると、リセッション以来航空機需要が回復していることを背景に、好調さを維持できるかが注目されているボーイング(BA.N)や、現在米国で開催されているモーターショーでは、電気自動車元年と言われるほど各社が電気自動車を投入しており、それに関連したリチウム電池などの開発メーカーの株が自動車株とともに物色される可能性がある。

また、電子制御システムや自動化機器が米国内やアジア諸国で拡大し、その恩恵を受けると思われるハネウェル・インターナショナル(HON.N)は、第1・四半期の1株当たり予想を当初の0.40-0.45ドルから0.45―0.49ドルに引き上げたことにも注目したい。

一方、為替市場は、欧州タイム同様、株式や商品市場でのリスクトレンドがどちらに振れるか、この点がポイントになる。ISMで米景気回復基調が鮮明になれば、リスクテイクにより欧州通貨や資源国通貨が買われやすい地合いとなろう。逆に米雇用情勢に関して、不安材料が出れば、昨日同様リスクアバースの円買いが優勢の展開になると思われる。

また、中国では経済指標が市場予想を連続で上回っており、金融引き締め観測が海外勢の間で台頭すれば、円買い圧力が強まる可能性が高まるため、本日は米中経済の動向に関する報道に注視した方がいいだろう。

米SPX500種株価指数日足