BASELWORLD 2010のオメガブース。2009年に誕生10周年を迎えた、同軸がんぎ車採用の自社開発ムーブメント「Co-Axial」を前面に出し技術力をアピール

スイス・バーゼルで開催された「BASELWORLD 2010」でオメガは、アポロ・ソユーズ宇宙船ドッキング成功35周年を記念する「スピードマスター」の特別モデルや、アニュアルカレンダーを搭載する「シーマスター アクアテラ」の新作などを発表した。

1975年7月、アメリカのアポロ宇宙船とソ連(当時)のソユーズ宇宙船を軌道上でドッキングさせる「アポロ・ソユーズテスト計画」が実施された。米ソの宇宙飛行士が宇宙空間で握手を交わし、両国の緊張緩和を象徴する出来事となったが、このとき両宇宙船の船長がともに装着していたのが「スピードマスター プロフェッショナル」だった。

オメガでは、このミッションの成功から今年で35周年を迎えることを記念し、1,975本限定の「スピードマスター プロフェッショナル アポロ・ソユーズ 35周年記念限定モデル」を発売する。デザインはオリジナルのプロフェッショナルから継承しているが、文字板には地球に飛来した隕石から切り出した素材を採用しているため、1本1本すべての文字板が微妙に異なる仕上がりとなっている。裏ぶたにはシリアルナンバーのほか、ミッションの記章や5名の飛行士の名前などが刻まれている。6月発売予定で、価格は85万500円。

文字板に本物の隕石を採用した「スピードマスター プロフェッショナル アポロ・ソユーズ 35周年記念限定モデル」。グレーのインダイヤル部分は隕石そのままの色となっている

ミッションのワッペンとともに専用箱で提供される

宇宙船や飛行士の名前なども刻まれたスクリューバック

シーマスターの新作として発表された「シーマスター アクアテラ アニュアルカレンダー」は、小の月には31日を自動的にスキップする、3月1日以外の手動修正が不要なカレンダーを搭載した。また、シリコン製ひげぜんまいを採用し、磁気や衝撃が精度に与える影響を小さくした。ステンレススチールに加え、ケースやバンドの一部には銅・プラチナを含み強度や対変色性にも優れる18金レッドゴールドを組み合わせている。150m防水、客船のデッキを思わせるストライプの文字板デザインなどは従来のシーマスター アクアテラと共通。価格は174万3,000円。ステンレススチールモデルも用意する。

「シーマスター アクアテラ アニュアルカレンダー」の18金レッドゴールド採用モデル。Co-Axialキャリバー、シリコンひげぜんまいなど最新技術もふんだんに搭載

レディス向けでは、PVDコーティングによる紫の文字板と、同じく紫のレザーストラップを採用したカラーを「スピードマスター」「コンステレーション」「デ・ビル」の各ブランドで用意。ベゼルに配された多数のダイヤモンドと相まって特にファッション性の高いモデルとなっている。

左上から時計回りに「スピードマスター レディス(38mmクロノメーター)」、「コンステレーション(35mmレディス クォーツ)」「デ・ビル コーアクシャル クロノメーター」。いずれも紫が印象的な配色となっている