さて、Radeon HD 4770の3DMarkの結果はかなり特徴があるものとなっている。3DMark06では、HD 4830と大体同じくらい、対GeForce 9800 GTだと微妙に劣るかな……というスコアなのだが、これがDirextX 10世代の3DMark Vantageになると、HD4830も9800 GTも圧倒してしまうスコアを叩き出す。

3DMark Vantageのスコアでは、価格的にも完全な上位モデルであるHD 4850やGTS 250にも見劣りしないような結果だ。また、3DMark06でもVantageでも、負荷が高くなるにつれてのスコアの落ち込みも緩やかで、特にVantageのExtreme時のスコアなどはHD 4850とほとんど並んでしまっている。

一方で消費電力の方は、HD 4850以上のクラスのRadeonに比べると劇的に低い。9800 GTやGTS 250よりも省電力な感じであり、HD 4830と同程度の電力しか消費しない。さすがは最先端の40nmプロセスベースといったところだろうか。ワットあたりの性能はトップクラスと言ってしまいたくなる優秀さだ。

このGPU、今回の結果を見る限り、150ドル程度の値段だったとしても競争力があったんじゃないか? と思えてくる。秋葉原のPCパーツショップなどではさっそく販売がスタートしているようだが、店頭での実勢でもいきなり10,000円~14,000円程度という価格を見ることができる。コストパフォーマンスは相当に高い。

ちょっと前までの2~3万円クラスのグラフックスカードを入手したかのような、そんな満足感が存分に味わえてしまうのがRadeon HD 4770なのだ。個人的な話だが、例の定額給付金で、12,000円という額にどうも納得がいっていなかったのだが、Radeon HD 4770の登場でかなりスッキリした(笑)。12,000円の価値は凄いのであるっ!

ただ、Radeon HD 4770で、ちょっと勿体無いと思ったのが、補助電源コネクタの存在だ。今回入手したリファレンスは勿論、相次いでリリースされている各社のカードにも、しっかりとおなじみの6ピンコネクタが装備されている。

オーバークロックモデルを見越してあえて備えているという噂もあるが、補助電源無しなら更に導入し易いだろう

ここまで省電力なら、もう少し頑張れば補助電源無しでも行けそうである。性能はハイエンド並だとしても、価格帯的にこのクラスの製品であると、この補助電源コネクタの有無は結構気になるのだ。そのあたりは、派生モデルや各社のオリジナルデザインのカードにも期待したいと思う次第である。