ターボリナックスは、WindowsとLinuxが混在するイントラネットで、それぞれの資源をシームレスに統合し、Active Directoryで集中管理する新製品「Linux Connector for Active Directory」の発表会を開催した。販売は4月27日から行う。

「Linux Connector for Active Directory」を紹介するターボリナックス 代表取締役社長兼CEO 矢野広一氏

価格は、5ライセンス付きの「Linux Connector for Active Directory」が98,000円、ライセンス無制限の「Linux Connector for Active Directory Unlimited」が298,000円。

発表会場ではまず、ターボリナックス 代表取締役社長兼CEO 矢野広一氏が開発背景を説明。企業によってはWindowsとLinuxの混在が進んでいる。そこで、WindowsとLinuxをシームレスに、しかも簡単に統合できる連携ツールとして「Linux Connector for Active Directory」を開発したとした。開発期間は約1年。マイクロソフト イノベーションセンターの協力の下、2月に約1週間にわたり16機のPCサーバ環境で動作検証を実施。商用に耐えられるとして、提供を開始することとなった。

製品概要を説明するターボリナックス 技術統括本部 技術本部長 森蔭政幸氏

続いて、ターボリナックス 技術統括本部 技術本部長 森蔭政幸氏が製品概要を説明した。

メインフレーム、UNIXサーバとも2008年第3四半期は2007年に比べて大幅に落ち込んでいる一方、IAサーバは前年同期比101%と微増を果たしている。その中でもブレードサーバは前年同期比131%と、景気の影響を受けずに大きく伸びている。そこで、問題になってくるのはWindowsとLinuxの混在環境。イントラネット上に複数クライアントマシンがある環境で、複数のサーバでユーザー情報を管理すると、通常はそれぞれのサーバにユーザー情報が必要になるため管理が煩雑になる。これを1台のサーバでユーザー情報を一元管理しようとする仕組みがディレクトリーサービスだ。

IAサーバは、メインフレーム、UNIXサーバに比べ、景気に左右されずに伸びている

通常の環境だと、それぞれのサーバがすべてのユーザー情報を持っている。ユーザー情報が変わると、すべてのサーバの情報を変える必要がある

1台のサーバでユーザー情報を一元管理するサービスがディレクトリーサービス。ユーザー情報が変わっても、管理しているサーバ1台を更新するだけでよい

ところが、WindowsとLinuxの混在環境だと、最低1台、Windows、Linuxそれぞれのサーバで別々にユーザー情報を管理しないといけない

ただし、Windows ServerとLinux Serverの両方が存在する環境では、Sambaを使えばユーザー情報を一元管理できないことはないが、技術面でのハードルは高い。そこで、このユーザー情報の一元管理を簡単に行えるように投入したのが「Linux Connector for Active Directory」となる。Linuxサーバ、Linuxクライアントのそれぞれに導入すると、Windows ServerのActive Directoryを使ったユーザー情報の一元管理が可能となっている。もちろんユーザーはWindowsとLinuxの違いを意識することなくマシンにシングルサインオン可能。さらにGNOMEなどのLinuxデスクトップ環境、FirefoxやThunderbirdの設定値までActive Directoryで集中管理できるようになる。

「Linux Connector for Active Directory」を使えば、Linuxサーバ上で管理するユーザー情報も、WindowsのActive Directoryを使って管理できるようになる

管理画面。「Linux Connector for Active Directory」がWindowsサーバとLinuxサーバの差を埋めてくれる

特徴は、マイクロソフトのライセンス契約によりActive Directoryについて公開された情報を基に、ターボリナックスが開発した点。つまりマイクロソフト公認のソフトとなっている。メールサーバ、ファイルサーバ、プリンターなどさまざまなICT資源も一元管理できるため、管理・運用コストの削減にもつながる。

現在、Turbolinux 11 Server(32bit/64bit)、Turbolinux Client 2008、Red Hat Enterprise Linux 5(Intel or AMD x86/x86-64)に対応。今後他のディストリビューションにも対応するための検証を進めている。

パブリックベータは、発表と同時にダウンロードサイトにて配布されている。評価期間は2009年4月末まで。