Booksベストセラー週間総合ランキング1月30日~2月5日では、『オバマ大統領就任演説』(バラク・オバマ/CNN English Express編集部)および『オバマ大統領就任演説 CD BOOK』(バラク・オバマ/小坂恵理訳)の2タイトルが新登場でトップテン入りした。"オバマ本"は先週からランク入りしている『オバマ演説集』(バラク・オバマ/CNN English Express編集部)とあわせ、総合ランキング10位以内に3タイトルも入る人気ぶりだ。

1月30日~2月5日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 読めそうで読めない間違いやすい漢字(二見書房) 出口宗和
2位 男道(幻冬舎) 清原和博
3位 「脳にいいこと」だけをやりなさい!(三笠書房) マーシー・シャイモフ/茂木健一郎訳
4位 オバマ演説集(朝日出版社) バラク・オバマ/CNN English Express編集部
5位 告白(双葉社) 湊かなえ
6位 オバマ大統領就任演説(朝日出版社) バラク・オバマ/CNN English Express編集部
7位 悼む人(文藝春秋) 天童荒太
8位 利休にたずねよ(PHP研究所) 山本兼一
9位 楊令伝(8)(集英社) 北方謙三
10位 オバマ大統領就任演説 CD BOOK(ゴマブックス) バラク・オバマ/小坂恵理訳

新登場で6位に入った『オバマ大統領就任演説』(バラク・オバマ/CNN English Express編集部)は、その名の通り18分あまりの就任演説を完全収録したCD付きブック。日本語訳と用語の注釈が付いている。オバマ大統領が強く意識していたというリンカーンとケネディの演説をあわせて収録しているのがユニーク。

10位にランク入りした『オバマ大統領就任演説 CD BOOK』(バラク・オバマ/小坂恵理訳)のほうは、大統領就任演説とともに昨年11月に共和党大統領候補を破った際の「勝利演説」も収録している。

単行本フィクション部門に目を移すと、9位に『くまとやまねこ』(湯本香樹実・文/酒井駒子・絵)が新登場でランク入りしている。仲良しの小鳥の死を泣いている熊という描写で始まる絵本で、身近な人の「死」とそれを乗り越える過程を動物にたとえて描いている。全国学校図書館協議会選定図書にも選ばれており、大人にも多く読まれているようだ。

今週の注目

1分で大切なことを伝える技術(PHP研究所/齋藤孝/720円(税別)

現代人は気が短くなっていると感じることはないだろうか。言い方を変えれば、待つことができなくなっているのだ。世の中の動きが激しく、スピーディーに物事が流れていく時代にあって、人々は即座に結論の出る話を求めている。それを如実に表しているのが、1分程度でオチになる「ショートスタイル」と呼ばれるテレビのお笑い番組の人気ぶりだ。 本著はこうした時代に求められている技術として「1分でプレゼンする」方法を読者に伝授しようとするものだ。日本人の国民性としては、どうしても本題の前に前置きを置きたくなってしまう。だが著者は、前置きなどをカットしても失礼に当たらず、しかも相手の心に残る話し方のコツを教えてくれる。

特に印象的なのは自分と相手との間に「川」を意識しろという薦め。川を渡って相手のところに意思を届けるには流れの中に幾つかの踏み石が必要であり、いきなり川を飛び越えていくことはできない。つまり、1分という限られた時間の中でも幾つかのポイントを押さえ、共通の認識を確認しながら結論に持っていくことが必要なのだと著者は説く。

このほか「コンセプトを一文で表現せよ」「デメリットも提示せよ」などビジネスシーンに活かせる提案が大いに盛り込まれた一冊となっている。「自分の話は長くてつまらないかも……?」とお心当たりの方は一読を。