ソニーは21日、ICレコーダーの新製品「ICD-SX900」(内蔵メモリ4GB)「ICD-SX800」(内蔵メモリ2GB)を発表した。発売は2月21日を予定しており、価格はオープン。市場価格は、ICD-SX900が2万5,000円前後、ICD-SX800が2万円前後と予想される。

高音質録音も可能なICレコーダー「ICD-SX900」(左)と「ICD-SX800」

同社では、楽器演奏の録音や野外での録音などをターゲットとしたリニアPCMレコーダー「PCM-D1」「PCM-D50」をリリースしている。今回発表されたICD-SX900/800もリニアPCMでの録音が可能なモデルだが、製品カテゴリーとしては一般的なICレコーダー。手軽に使えるICレコーダーでありながら、無圧縮のリニアPCMでの録音もサポートしているというのがポイントだ。

搭載されているマイクは計3本。左右に配置されている2本のマイクは無指向性で、ステレオ録音に使用される。中央に配置されているマイクは、単一指向性を持っており、ボイスレコーディングなどに使用される。いずれも新開発されたもので、ステレオ録音用のマイクでは、ICD-SX88などに搭載されているマイクに比べて、約1/3にまでノイズを低減、さらにセンターマイクは、約30mの距離の音声をキャッチできる高感度タイプ。録音モードは、従来までの「口述」「会議」「マニュアル」に、「高感度」「音楽」の2モードをプラス。マニュアル以外の各モードでは、録音対象に適したマイクと、録音フォーマットが自動セレクトされる。なお、PCM-D1/50などとは異なり、録音時間を延長するための外部メディアの使用(メモリースティックなど)には対応していない。

電源は単四電池×2。パッケージには、Ni-MHバッテリーが2本含まれている。充電はUSBか、またはオプションのUSB充電ACアダプター「AC-U50AD」を利用する。このほか、パッケージには、PC上での再生/CD作成ツールと、波形編集ツールも含まれている。本体サイズは31.3(W)×130.0(H)×15.4(D)mm。質量は約75g(電池含む)。

録音時に使用可能な音声フォーマットや録音可能な時間は表のとおり。再生時には、これらのフォーマットのほかに、32kbps~192kbpsのWMAファイルも使用可能だ(DRMには非対応)。

形式 録音モード 録音品質 ICD-SX900での録音時間 ICD-SX800での録音時間
リニアPCM ステレオ高音質モード 44.1kHz/16bit 6時間25分 3時間10分
ステレオ長時間モード 22.05kHz/16bit 12時間50分 6時間25分
MP3 ステレオ高音質モード 44.1kHz/192kbps 47時間30分 23時間35分
ステレオ標準モード 44.1kHz/128kbps 71時間15分 35時間25分
モノラル標準モード 44.1kHz/48kbps 190時間5分 94時間40分
LPEC ステレオ高音質モード(STHQ) 44.1kHz/128kbps 70時間10分 34時間55分
ステレオ標準モード(ST) 44.1kHz/48kbps 185時間20分 92時間15分
ステレオ長時間モード(STLP) 44.1kHz/24kbps 356時間45分 177時間40分
モノラル標準モード(SP) 16kHz/16kbps 564時間40分 281時間20分
モノラル長時間モード(LP) 8kHz/6kbps 1,505時間55分 750時間15分