エフセキュアが情報提供を行うNPO「E-Victims Organization」は、2009年に流行する可能性のあるスキャム(詐欺)トップ10を発表した。

E-Victims Organizationは、エフセキュアが情報提供や支援するNPO組織で、インターネット上で起こる犯罪や事故の被害者救済活動などもおこなう。発表にあたり、同NPOでディレクターを務めるJennifer Perryは以下のような見解を示している。

「インターネットを介した犯罪は拡大する一方で、ほぼ毎日新しいスキャムが報告されています。特に生真面目なトレーダーが経済的に圧迫されて路頭に迷い、自暴自棄になることで自らをインターネット犯罪の脅威にさらしてしまう危険があります。昨今の雇用不足の増加や世界的景気後退が引き起こすスキャム被害者が急激に 増加するだろう」

順位 手段 概要
第1位 個人情報窃盗&フィッシング(詐欺) なりすまし犯罪、個人情報泥棒、個人情報の盗難、身元詐称と呼ばれる犯罪手口で、フィッシング(詐欺)やソーシャルネットワーク、電話による売り込み、ハッキング、偽ウェブサイトなど、様々な手法で個人情報や個人の財務情報を入手し、ブラックマーケットで売買します。不必要な個人情報の共有を避け、誕生日や郵便番号などを聞かれても、そのような情報は提供するべきではありません。
第2位 ウイルス&スパイウェア ウイルスとスパイウェアは、どこにでも蔓延しており、ウイルスに感染したウェブサイトかどうかを特定することは非常に困難です。ウェブサイト上でPDF ファイルをダウンロードしたり、YouTubeで動画を見たり、フラッシュアニメーションの広告を見るだけでもウイルスに感染してしまう可能性があります。
第3位 当選通知 スキャム この手のスキャムは昔からありますが、未だに被害が報告されています。何百もの種類があるとされていますが、基本的には同じものと考えて良いようです。某抽選に当選したので大金がプレゼントされると謳いながら、必ず申請時に手付金として何らかの支払いを要求し、お金をだまし盗るというのが一般的な手口です。もちろん大金は手に入りません。
第4位 在宅事業者を狙うスキャム 求職者の弱点を狙ったスキャムの代表的な手口ですが、近年の雇用不足による被害の増加が見込まれています。
第5位 偽ウェブサイト フィッシング(詐欺)やドメインのハイジャックや投稿サイトを通じて、偽サイトへ誘導する手口があります。ショッピングサイトを偽造し、入手困難なレアアイテムを販売するふりをして、消費者を惹きつけます。短期的に運営した後は、またすぐに新しいウェブサイトを作りなおして、姿形を変えていきます。
第6位 ファイナンシャル系 2008年は特に、ローンや負債整理を支援するような手口が増加傾向にあります。負債における所有権の回復や失業手当などに関する保険などで惹きつける新しい手口も報告されています。
第7位 クラシファイド&広告 スキャマーは、それぞれの地域に特化したオンラインクラシファイド(個人広告を投稿・検索・閲覧できるウェブサイト)を利用して、新しいターゲットに目処をつけます。あたかも買い物をするようなフリをして連絡を取り、既定の金額以上の偽造小切手を送り、それが偽物と判明する前に過分に支払われた金額を返金してもらうという手口です。
第8位 休暇 今年の休暇は贅沢できない?スキャマーは、そんな消費者の悩みをとらえ、びっくりするほどお得な旅行パッケージの広告を出して消費者を誘惑します。でも残念ながら、それは偽物です。
第9位 偽造チケット 北京オリンピックの際に大量のチケットスキャムが出回ったのは記憶に新しいですが、この偽造チケットは、コンサートやフェスティバル、スポーツ観戦などの様々なイベントの偽造チケットをオークションサイトや偽クラシファイド(個人広告を投稿・検索・閲覧できるウェブサイト)を経由して販売されます。
第10位 ソーシャルネットワーキング 個々のユーザーがコメントやファイルを投稿し合う、コミュニケーションサービスとして知られる、TwitterやYouTubeのリンクを利用したスキャムメールです。この様なソーシャルネットワークサービスを通じて、公開されたリンクをクリックすることで、PCが特定され、デートスキャムやハッキングされたアカウント、更には家族や友人を装ってトラブルに巻き込まれてお金に困っているなどの「振り込め詐欺」のような、様々なスキャムメールが送られてきます。