「iWork ‘09」

米Appleは6日(現地時間)、同社生産性ツールスイートの最新版「iWork ‘09」を発表した。発表同日より提供が開始され、販売価格が8,800円、Apple Storeを介してのMac製品との同時購入で5,800円の割引価格が提示される。対応OSはMac OS X 10.4.11または10.5.6で、IntelならびにPowerPC G5 / G4の両プラットフォームに対応する。

iWorkはワープロのPages、表計算のNumbers、プレゼンテーションのKeynoteの3つの製品を組み合わせたソフトウェアスイート。当初はPagesとKeynoteの2製品で構成されていたが、前バージョンにあたるiWork ‘08でNumbersが加わり、Microsoft Officeなどに並ぶいわゆるオフィス製品スイートの1つとなった。

「Pages '09」

Pagesの新バージョンではフルスクリーンビューの採用やアウトライン編集機能の強化など、主に編集関連での機能強化が目立つ。またMathType 6の標準搭載による数式記述やEndNote X2統合による引用出典管理など、学術向け機能強化が多数図られている点が特徴となる。このほか40のテンプレートが新たに追加されている。Numbers '09でも同様に計算処理機能が大幅に強化されており、数式記述の強化のほか、混合グラフのサポートなど、より記述の幅を広げる方向での充実が図られている。

一方のKeynoteではアニメーション処理や画面切り替え、テキスト表示など、ビジュアル方面での強化が行われている点が特徴となる。アニメーションを含む各種3Dグラフ表示に対応し、自身のプレゼンテーションに活用できる。またiPhone / iPod touch向けのKeynote Remoteアプリが提供され、iPhoneを使ってのスライド切り替えやスクリプト/メモの確認なども行える。Keynote RemoteはApp Storeから購入が可能。

AppleではiWork新バージョン発表に合わせ、「iWork.com」という文書共有サービスのパブリックベータ版の提供を開始している。同サービスは現時点で利用無料で、Apple IDでサインインすることで6日発表同日より利用可能。Keynote、Pages、Numbersの各ファイルをサイト上で共有し、閲覧やダウンロードが可能なほか、さらにコメントを加えたりなど、チーム内でコラボレーションするための仕掛けが用意される。またWindowsユーザーなど、iWorkを持たないユーザーでも文章を閲覧できるよう、Microsoft OfficeやPDFのフォーマット形式で文書をダウンロード、コメントの投稿や閲覧が行える。