米S3 Graphicsは20日(現地時間)、新GPUである「Chrome 500」シリーズを発表した。今年2月に発表したChrome 400と同様に、富士通の65nmプロセスを採用したDirectX 10.1世代のGPU。型番は大きく上がっているが、スペック的にはメモリ容量の強化版となっており、マイナーアップデートと見ることができる。

DirectX 10.1への対応、省電力機能「Powerwise」やビデオ支援機能「ChromotionHD」の搭載など、主要な仕様はChrome 400シリーズから引き継ぐ。Chrome 500シリーズのGPUとしては、まず「Chrome 530 GT」が発表されており、同社オンラインストア「GStore」では、すでに搭載製品「Chrome 530 GT HDMI 512MB」が発売されている。

「Chrome 530 GT HDMI 512MB」

製品の仕様は以下の通り。Chrome 530 GTは、同430 GTと同クロックになっており、違いはメモリの容量(256MB→512MB)のみ。メモリインタフェースは64bitで同じだ。コアクロックは440 GTXの方が100MHz高速で、価格も上回っていることから、530 GTがハイエンドモデルと言えるかどうかは微妙だ。

外見上、Chrome 530 GT(左)と430 GT(右)に違いは見られない

■同社製グラフィックスカードの仕様
GPU 530 GT 430 GT 440 GTX
DirectX 10.1
OpenGL 3.0 2.1
コアクロック 625MHz 725MHz
メモリクロック 500MHz 700MHz
メモリサイズ 512MB 256MB
メモリインタフェース 64bit
メモリタイプ GDDR2 GDDR3
グラフィック出力 HDMI/DVI HDMI/DVI/VGA
GStoreでの価格 44.95ドル 39.95ドル 49.95ドル

製品のWEBサイトには、競合との性能比較も掲載されており、そのグラフによれば、HDビデオ再生時のCPU使用率はNVIDIAのGeForce 8600よりも低く、Windows Vistaでの3DMark06スコアはAMDのRadeon HD 4350よりもわずかに上回る、とのこと。なお、同製品には「InterVideo WinDVD 8」も付属する。