観光庁と社団法人日本旅行業協会VWC2000万人推進室(以下、VWC推進室)は、2008年に実施した「海外旅行満足度・意識調査」とJATA世界旅行博のタウンミーティング「若者の海外旅行離れについて」(9月19日実施)を踏まえて21日、海外旅行意識セミナーを実施した。

VWC2000万人推進室室長の澤邊宏氏

VWC推進室室長の澤邊宏氏は「旅行業界は若者に向けて、"卒業旅行"の商品化は成功したが、それ以外の商品はまだ少ないのが現状。"自分のお金"で行きたいと思わせる価値のある旅行商品をこれから作っていく必要がある。そのために、資料の結果やタウンミーティングで話された若者の本音を踏まえ、積極的な姿勢で課題に対峙してほしい」と旅行業界の現状を指摘し、若者の海外旅行喚起を呼びかけた。

2010年に海外旅行者数を2,000万人にする―。これはVWC推進室が掲げている目標だ。観光庁の調査によると、海外旅行者数は2000年の1,782万人をピークを境に、海外でのテロや感染症といったマイナス要因のため落ち込んできた。2004年からは回復基調となっているものの、2007年の海外渡航旅行数は1,729万人と、2,000万人突破の壁は厚い。どうやって目標の2,000万人を達成させるのか。同セミナーでは、同庁が実施した「海外旅行満足度・意識調査」の結果を説明、旅行者の傾向や実態を語った。またVWC推進室でも、マクロミルを介した「海外旅行に関する調査」の結果から、年代ごとの特徴を詳細に発表した。

財団法人日本交通公社・主任研究員の黒須宏志氏

これらの発表を踏まえ、財団法人日本交通公社・主任研究員の黒須宏志氏が今後の海外旅行のあり方を分析・提言した。「よく若い人が『旅行商品が高い』と言っていますが、それは単に価格が高いと言っているのではありません。彼等は旅行そのものに『本当に価値があるのか?』と思っているのです。旅行=余暇、レジャーではなく幅広くとらえ、旅行を"手段""目的"として新商品を作ることが大事。旅行好きだけが旅行へ行くのではありません」(同氏)。

同セミナーは旅行代理店向けとメディア・政府観光局向けの2回に分けて開催されたが、どちらの回も会場の定員数に近い人数が参加し、熱気で溢れていた。「若年層の海外旅行へのポテンシャルは高い」と指摘する黒田氏の言葉を受け、旅行代理店・政府観光局など業界関係社・団体の取り組みが期待される。