ATIとNVIDIAに収束しつつあるディスクリート3Dグラフィックスだが、S3 Graphicsの存在を忘れてはいけない。2年前にはChrome S27をレビューしているが、今回は、DirectX 10.1に対応した最新のChrome 430 GTを搭載するAOpenの「Chrome CRF430GT-DCSM256X」を入手したので、これをレビューしてみよう。

Chrome 430 GTは最新トレンドを網羅

Chrome 400シリーズGPUには、今回レビューするChrome 430 GTと、その上位モデルとしてChrome 440 GTXがラインアップされている。おおよそのターゲットセグメントはエントリークラスに位置するもので、当時のChrome S27のセグメントと同様だ。

Chrome 400シリーズのキーフィーチャは、DirectX 10.1のサポート、PCI Express 2.0、そしてChromotionHD 2.0と呼ばれるHDビデオの再生支援、高画質化機能だ。現在、ATIやNVIDIAのGPUを見ても、同様な点をキーフィーチャに挙げている。まずDirectX 10のサポートはVista Premiumロゴの取得には欠かせないものである。次のPCI Express 2.0への対応は、エントリー向けGPUにあまり関係は無さそうだが、積極的に機能を取り入れる点で評価できる。そして最後のChromotionHD 2.0は、H.264、MPEG-2/4、VC-1といったフォーマットをハードウェアデコードするというものであり、ATIで言えばUVD 2、NVIDIAで言えばPureVideo HDに相当する。

API、インタフェース、HDビデオ対応の3点で、Chrome 400シリーズはATI、NVIDIAの最新GPUに劣らない機能を備えていると言って良いだろう。また、2枚のChrome 430 GTを組み合わせることで、MultiChromeと呼ばれるCrossFireXやSLIのような機能も用意されている。ただし、MultiChromeに関しては現時点でドライバ待ちの状態だ。

Chrome 430 GTは本当に小さなカードである。ロープロファイルで、カード長もPCI Express x16スロット分程度しかない。グラフィックスカードとしてはかなり小型なロープロファイルのRadeon HD 3450と比較してもカード長がかなり短い。むき出しのメモリチップはGDDR2のQimonda製HYB18t512161B2Fが採用されていた。1つあたり512Mbitのチップでこれを4つ搭載して計256MBということになる。また、ディスプレイ出力はD-Sub15ピンとDVI-Iの2系統である。

カード長は短く、高さもロープロファイル。ファンも簡素なもだ

メモリは裏面にも実装されており計4チップ。RoHS対応などの文字も確認できる

チップ上にはS3 Graphicsの刻印がある。かなり小さめなコアと見える

メモリチップはQimonda製HYB18t512161B2F-25

スペック面を見ていこう。製造プロセスは65nmで平均的と言えるだろう。ダイサイズは85mm^2とされ、55nmプロセスのRadeon HD 3450(61mm^2)と比較すればやや大きい。ユニファイドシェーダは32基。GPUクロックは625MHzでRadeon HD 3450よりも若干高速なほか、NVIDIAと同様にシェーダのクロックを別とし、900MHzで駆動させているのが特徴だ。メモリは先に触れたとおり256MBのGDDR2。メモリ接続バス幅は64bitで、このあたりもエントリーセグメント向けでは標準的だ。仕様だけを比較してみると、後発なだけにちょうどATIとNVIDIAの良いとこどりなイメージがある。

GPU Chrome 430 GT Radeon HD 3450(LP) GeForce 8400 GS
製造プロセス 65nm 55nm 80nm
ユニファイドシェーダ 32 40 16
GPUクロック 625MHz 600MHz 450MHz
シェーダクロック 900MHz 600MHz 900MHz
メモリ GDDR2:256MB GDDR2:256MB GDDR2:256MB
メモリ接続バス幅 64bit 64bit 64bit
メモリクロック 500MHz(1000MHz) 400MHz(800MHz) 400MHz(800MHz)
メモリ大域幅 6.4GB/sec 6.4GB/sec 6.4GB/sec
ROPs 4 4 8
DirectXサポート 10.1 10.1 10
ShaderModel 4.1 4.1 4
PCIe Gen 2 2 2
ビデオ支援機能 ChromotionHD 2.0 UVD PureVideo HD(VP2)
HDCP
HDMI
DisplayPort 不明

テスト環境について触れておく。CPUはCore 2 Duo E8500(3.16GHz)、マザーボードはIntel DX38BTに、DDR3メモリ4GBを搭載したシステムで計測する。ややハイスペックと言えるが、ボトルネックを最小にしたものと考えて頂きたい。なお、Core 2 Duo E8500も価格改定が実施され、エントリーセグメントと言っても少し無理をすれば手が届くあたりとなっている。

Chrome CRF430GT-DCSM256X Radeon HD 3450
GPU S3 Chrome 430 GT Radeon HD 3450
CPU Core 2 Duo E8500(3.16GHz)
Motherboard Intel DX38BT
Chipset Intel X38 Express
Memory DDR3-1333(1GBx4/9-9-9-24) GeIL G32GB1333C9DCx2
GraphicDriver S3 Graphics Driver 7.15.12.0129 Catalyst 8.6Sample
HDD WD3200AAJS-B4A(320GB/7200rpm/8MB)
OS Windows Vista Ultimete SP1 32bit(E)