「起承転結」をつけるとわかりやすい

使用する写真を選んだら、次にフォトブックの構成について考えてみよう。フォトブックは1冊でひとつの世界が成立するので、初めから終わりまでの流れを意識して構成していく。写真の流れを考えるときは、モニター上で並べるのではなく、多少面倒でも、1枚1枚プリントしたものを机の上で並び替えながら考えるのがいい。市販される写真集や雑誌のギャラリーページでも同じことをやっている。

写真はプリントアウトしてから流れを決めると、全体流れや色の割合がわかりやすい

写真の流れは、「起床転結」で並べるとストーリー性が成立しやすい。ストーリー性が生まれると、見る人は「次はどうなるのだろう?」と、期待を持って見ることができる。"猫の1日"がテーマなら、朝から晩まで時系列に『起』目覚める、『承』外で遊ぶ、『転』家でご飯を食べる、『結』就寝、のように写真を並べる方法だ。もちろん必ずしも時系列で並べる必要はないが、いちばんわかりやすい方法でもある。

起承転結で写真を選ぶときは、始まりの写真『起』と終わりの写真『結』を決めると自然と内容が決まってくる。起承転結とすると『転』に山場を持ってくることが多いが、初めと終わりにインパクトのある写真を入れてもいい。人に強い印象を与えることができる。また、最後に静かなイメージの写真を持ってくると、落ち着いた印象で見終わることができる。流れを変えたい場合は、イメージカット(ストーリーに直接関係のない雰囲気写真)を上手に使うといい。いきなり流れが変わると見ている人は違和感を覚えるが、イメージカットを挟み込むことで、全体の繋がりをスムーズに見せることができる。イメージカットはテーマに沿った小物や風景など、箸休めになりそうな写真を用意しよう。

しかし、何が何でも起承転結が必要というわけではない。たとえば、初めから終わりまで均一に並べることでテーマを印象づけることも可能になる。一貫したテーマを繰り返し見せることで、見終わったあとに強い印象を残すことになる。

これに限らず、写真を構成して方法はいろいろあるが、一番大切なことは初めから最後までの写真の流れを意識すること。いくら良い写真を並べ続けても、写真の印象がバラバラだと、写真の良さが伝わりにくくなってしまう。写真の流れだけでなく、「写真を大きく配置するか?」「余白をあけるか?」などレイアウトによっても写真の見え方は大きく変わってくる。次のページではレイアウトについて解説しよう。

起承転結で展開していくストーリータイプの構成

テーマを繰り返し見せていくタイプの構成